世界コンサルEY社、「観光のリジェネレーション（改新）」提言レポートを発表、日本の地域は観光客の「量と質」のバランス取る議論を

コンサルティング大手EYストラテジー・アンド・コンサルティング（EY Japan）は、ツーリズムのリジェネレーション（改新）への提言を取りまとめたレポートを発表した。これは、水際対策の緩和以降の日本におけるツーリズムの現状や、地方への誘客の状況の分析、オーバーツーリズムなど負の影響を踏まえて、まとめられたもの。

同社では、ツーリズムを通じたポジティブなインパクトを観光地にもたらすために、旅の価値を改新する「リジェネレーティブ・ツーリズム」の取り組みが重要と指摘している。

レポートでは、2023年上半期のインバウンド旅行者数の回復や宿泊や飲食、アクティビティなどの体験への消費が高まっている傾向に触れるとともに、都道府県別の回復状況についても分析。

一方、インバウンド需要の回復がもたらす負の影響として、オーバーツーリズムの懸念にも触れたうえで、「量」をコントロールし、「質」を取るだけがオーバーツーリズムをはじめとした観光地経営の方向性ではなく、地域でどのようにバランスを取っていくかを議論していく必要があるとしている。

このレポートを担当したEYSC ストラテジック・インパクト・パートナーの平林 知高氏は「量と質のバランスの取り方として、持続可能な取り組みを超えて、よりポジティブなインパクトを生み出すために『リジェネレーション（改新）』という考えのもと、観光地においてポジティブなインパクトを生み出していくためには、これまでの枠組みを超えて、イノベーションを意識した取り組みが必要」と提言。あらゆるステークホルダーがツーリズムに対する考え方、価値を再定義し、具体的な行動につなげていく必要性を訴えている。

ツーリズムのリジェネレーション（改新）への提言