旅行・観光業における「脱炭素ロードマップ」、東京観光財団とJTB総合研究所が共同で考察

東京観光財団とJTB総合研究所は、旅行・観光業における「脱炭素ロードマップ」をテーマにした共同研究「A NET ZERO ROADMAP FOR TRAVEL & TOURISMから読み解く脱炭素に向けた具体的アクションの考察」を実施した。世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)が2021年11月に発表した調査レポート「A NET ZERO ROADMAP FOR TRAVEL & TOURISM」を翻訳して考察したもの。

このレポートは、世界の旅行・観光業によるCO2排出量の現状とその割合や、航空、宿泊、ツアーオペレーターを含む主要な5業種のための脱炭素ロードマップや必要な具体的アクションを示している。

考察では、旅行・観光業でもいわゆる「旅行会社」については、異なるビジネスモデルの混在とそのサプライチェーンの広さから、一元的なCO2排出量の算定や推定値の取得が困難になっていると指摘。

そのうえで、取り組みを進めるためには、「オフィスの操業や社員の出張等自社の活動に係る排出量」と「顧客の旅行における排出量」の2種類を、算定可能な範囲から算出し、目標を定めてモニタリングしながら削減することが重要としている。

さらに、業界団体によるイニシアティブの必要性についても言及。業界団体などは、気候変動対策や脱炭素経営などについて、より多くの教育・ナレッジシェアリングや、積極的に活用できる関係省庁の支援メニューを紹介する機会を提供していくことが必要と指摘している。

このレポートでは、旅行・観光産業による世界のGDPへの貢献度は10%を超えており、そのバリューチェーンの広さからも、旅行・観光業が脱炭素に取り組む責任と可能性は大きいと訴えている。

旅行・観光業のためのネットゼロ・ロードマップ 旅行・観光業界に向けた新たなターゲットフレームワークの提案(PDF)

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