JTB総合研究所が実施した「韓国、台湾からの訪日旅行に関する調査」で、訪日旅行の回数が多くなると、「温泉」や「日本文化」への関心が高まる傾向があることが分かった。直近の訪日旅行の目的は「日本食を楽しむ」が、韓国人が59.9%、台湾人が57.3と最も高い。また、「温泉に入る」は韓国、台湾ともに回数に比例して割合が高まり、5回目以上の訪問者の選択の中で最も比率が高かった。
温泉以外で、韓国人のリピーターの選択率が高い(1回目の選択率より高い)旅行目的は、「都市で買い物や食事などを楽しむ」「寺社など歴史的な建物や街並みを楽しむ」「美術館や博物館に行く」で、特に活気のある都市型観光の志向が強い。台湾人のリピーターの選択率が高いのは、「日本の歴史や文化を体験する」「ホテルや旅館でゆっくり過ごす」「美術館や博物館に行く」で、日本の歴史文化への関心が高くなるといえる。
宿泊地は韓国人、台湾人とも訪日回数が多いほど各都市に分散する傾向があり、大阪、京都、札幌、神戸などの宿泊は1回目の訪問よりも増えている。ただし、来訪回数が多くても東京の宿泊率の変化は少なく、2回目以降の旅行では東京とそのほか都市でも宿泊していることがうかがえる。また、台湾人は「北海道」が訪問回数別に関わらず1位で、依然として北海道へのあこがれが強いようだ。
以上の結果から、JTB総研では関心が高まっている温泉や歴史ある町の魅力を伝えるために周辺の都市部とセットでアピールすることが有効と説明。また、入国・出国の空港が異なるオープンジョー型の広域ルートの提案も、リピーターの増加には必要であると提案している。