ジェイティービー(JTB)が2013年5月31日に発表したJTBグループの2012年度(2012年4月~203年3月)の連結決算は、売上高が前年比8.7%増の1兆2355億円、営業利益が35.5%増の154億円、経常利益が45.7%増の185億円、当期純利益は157.7%増の86億円となった。当期は、中期経営計画「JTB New Departure2011」の最終年度として、成長戦略と構造改革の両輪で取り組みを推進。これにより、リーマンショック以前の純資産水準を回復し、新しい成長戦略への基盤を固めることができたとする。
旅行事業は売上高9.4%増の1兆1131億円。国内、海外、訪日ともに大きく増加したが、特に海外旅行では取扱人数が8.0%増の394万人、売上高は12.7%増の5132億円と大きく上回った。国際関係の悪化で、秋以降は中国・韓国への渡航者が減少したが、ファミリー層やシニア層が堅調で、全体的には順調な推移だったという。
グローバル事業は新興国、先進国ともに好調で、拠点数は全34ヶ国・358拠点に拡大。取扱額は24.7%増の1711億円と2ケタ増となった。アウトバウンド事業(現地発)では海外進出した日系企業に対する営業強化で、MICE事業が42.2%増の100億円と大幅に増加。また、インハウス事業(JTBグループの日本発海外旅行の現地での受け入れ)では、着地型商品「マイバス」の取扱人数が20.3%増の189万人になるなど、好調に推移した。
このほか、Web事業の取扱額は20.3%増の1480億円と順調で、JTBホームページと国内旅行予約サイト「るるぶトラベル」を合わせた会員数は、約500万人に拡大した。
JTBグループではアジア市場における圧倒的なナンバー1ポジションの確立と、2020年度末に取扱額2兆円、営業利益400億円を目指す2020年ビジョン「“Perfect moments, always”Global Vision 2020」を策定しており、この具現化に向けて、2013年~2015年度の3カ年計画の新中期経営計画「“Perfect moments, always”Road to Global Vision 2020」を開始した。2015年度に売上高1兆2600億円、経常利益220億円、当期純利益120億円とする利益計画を掲げており、初年度の2013年度は売上高1兆2190億円、経常利益130億円、当期純利益60億円を目指す計画だ。