ジェイアイ傷害火災保険が発表した2012年度の海外旅行保険契約者の事故発生状況によると、2012年度の事故発生率は3.90%で26人に1人となった。昨年より0.32ポイント悪化しており、過去5年間と比較しても最悪の数値となっている。
補償項目別では、1位は治療・救援者費用(45.7%)、2位が携行品損害(36.7%)、3位が旅行事故緊急費用(14.7%)で、上位3項目で全体の97.1%を占める。
これを地域別でみると、1位の治療・救援費用はアジア(72.1%)、オセアニア(60.3%)で多く、北米(46.9%)、中南米(42.5%)、欧州(29.7%)、アフリカ(27.5%)と続く。しかし2位の携行品損害ではアフリカ(52.7%)、欧州(48.5%)が多く、オセアニア(26.1%)、アジア(16.4%)と減少しており、地域によってその特徴が異なるようだ。
ジェイアイ傷害火災保険によると、衛生環境が良好ではない地域があるアジアでは疾病が発生しやすく、治療・救援費用の割合が高い。一方、欧州は方面によっては乗り換えが多く、荷物の積み替え時のスーツケースの破損の破損や、スリの手口の多様化により「携行品損害」の割合が高くなった。スマートフォンの盗難被害も多数発生したという。
また、遅延・救援費用の高額事故(300万円以上)51件のうち、65歳以上のシニア層は49%で約半数を占めた。段差に躓いて転倒し、骨折して入院するケースや、脳や心疾患による医療搬送が必要となり、高額になることが多い。また、シニアに人気の欧州は医療費自体が高額で、費用全体が高額化しているという。