日本経済団体連合会(経団連)は2013年6月17日、「新たな成長を実現する大規模MICE開発に向けて」と題した提言を発表した。このなかで、MICEは新たな成長実現のための重要なツールとし、国をあげたMICE戦略と世界最大級・最先端のフラッグシップ型大型MICE施設の整備が急務と提言。政治のリーダーシップの発揮を求める強い期待を示した。
今回提言した大型MICE施設は、立地は国際空港から30分圏内で、展示場30万平方メートル、会議施設5万平方メートルに加え、魅力付施設として3つ星以上のホテル2800室と物販・飲食施設9万平方メートル、都市型エンターテイメント施設5万平方メートルなどと具体的に提示。1万人規模の人数に対して一斉に食事提供が可能であることや、魅力付施設では「ジャパン・ブランド」総本山の機能を果たすような出店を含むことなどの条件も加えた。
こうした大規模MICE施設に係る整備費用は約5600億円と試算。対して、経済波及効果は施設運営に伴うものが年間約5800億円、施設整備事業に伴うものとして9300億円とし、雇用効果は施設運営で1211万6634.6人(1日あたり)、施設整備事業では5万6597人と算定している。
また、大規模MICE施設の魅力付施設としてのカジノについては「経済性の観点からは極めて重要な論点だが、倫理性の観点から多様な意見が存在することも事実であり、議論を深めなければならない」と認識を提示。その上で、国際観光産業振興議員連盟が提案する「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」については、「法案状況と大規模MICEをカジノを含む魅力付け施設と一体的に開発することが国際的な流れになっている」と言及し、国民的な議論の深化と早期結論への期待を示した。