エース損害保険は、消費者がオンライン上で旅行商品や航空券を予約する際に同時に保険の加入申込みが可能となる「CRS」の普及拡大を目指す。これは、旅行会社向けに行われたセミナーで同社のグローバルITディレクターのGlenn Crippa氏が発言したもの。今後も既存商品を旅行会社に提供を続けるものの「今後はe-コマースが中心となっていくだろう」と語った。
同社の保険販売システム「CRS」は、旅行会社や航空会社などのe-コマースサイトと連携することで、旅行商品の購入と同時に保険の申込みや決済を同時に完結することができるもの。現在、世界30以上の国・地域で導入が進んでおり、日本でもOTAや航空会社が利用しているという。Crippa氏は、最大の特徴として「非常に高い付保率があがり、旅行会社の収入も上がる。」ことを強調。旅行者の予約トランザクションが中断することが少ないシステムで、同時決済だからこそ消費者が購入しやすく販売数が飛躍的に伸びた事例などを紹介した。
消費者がオンラインで決済にいたるまでの簡単な流れはこうだ。航空券の場合、まず、消費者が出発日、人数など入力。航空券の券種やスケジュールを照会する画面に遷移すると、同時にその日程・方面にあわせた保険を表示する。旅行者が商品を選び、個人情報の入力を完了すると保険商品の見積もりが掲載。消費者に保険購入の意思があればYes、なければNoを選択し、航空券の決済と同時にクレジットカードで決済を行う。Crippa氏は、「航空券購入を邪魔しないようにシンプル」に操作ができると自信を見せた。なお、決済は同時だが契約はそれぞれとなるため、契約情報はそれぞれの企業から送付する流れとなる。
Crippa氏によると、2009年にスタートした同社の拡大戦略では、2015年までに保険市場で現在の5位から3位以内に入ることが目標。日本では、現在 6 位のとなっているものの、「e- コマースではトップの位置を占めている」といい、こうした強みを生かしてさらなる普及拡大を目指す方針だ。
(トラベルボイス編集部:山岡薫)