マスターカードが発表した2014年の世界の都市への海外からの渡航者数を予測した調査「世界渡航先ランキング」で、対象の世界132都市のうち、東京は19位の約538万人(前年比6.5%増)となった。大阪は37位の約319万人(14.5%増)との見通しだ。同社は今回のランキングについて、2013年の伸び率ほどの成長ではないが、景気の復調と日本政府による訪日促進策が寄与すると予想。2020年の訪日客数2000万人の目標に向け、今後も東京のランキングが上がっていくとみている。
この「世界渡航先ランキング」は、海外から都市への渡航者総数と、渡航者による渡航先都市での消費額で世界の都市をランク付けしたもの。2014年の渡航者・旅客数の増加を予測しており、調査対象の132都市で海外からの渡航者数と消費額について公表値をもとに独自のアルゴリズムで分析を行った。また、シンガポール、アムステルダム、フランクフルトなどの都市が「ハブ効果」によって数値に歪みが発生するとして、それを排除する計算処理をしているという。
この結果、2014年の渡航先ランキングの世界1位はロンドンで8%増の1869万人と予想。昨年首位のバンコクは政情不安の影響で11%減の約1642万人の2位の予測だが、アジア太平洋地域では首位を維持した。アジア太平洋地域では、ジャカルタ(18.8%増)、ハノイ(15.1%増)、マニラ(14.3%増)で高い成長が見込まれている。
また、海外旅行者数と渡航先の消費額は急速に上昇しており、過去5年間で海外旅行者数は51.7%増、消費額は40.9%増となった。これは世界の実質GDPの同期間の成長率15.8%を上回る推移だという。マスターカードでは、海外出張や中間層の渡航需要が根強いことに加え、特に新興国市場で経済力を持つようになった消費者の異文化体験への興味関心が強まり、海外旅行の継続的な伸びに繋がっていると見ている。
ランキングのトップ20と渡航者数予測は以下のとおり。
【世界渡航先ランキング2014 渡航者数・トップ20】 (都市:渡航者数 百万人単位)
- ロンドン:18.69
- バンコク:16.42
- パリ:15.57
- シンガポール:12.47
- ドバイ:11.95
- ニューヨーク:11.81
- イスタンブール:11.60
- クアラルンプール:10.81
- 香港:8.84
- ソウル:8.63
- バルセロナ:7.37
- アムステルダム:7.23
- ミラノ:6.82
- ローマ:6.79
- 台北:6.29
- 上海:6.09
- ウィーン:6.05
- リヤド:5.59
- 東京:5.38
- リマ:5.11