米運輸省(DOT)は2015年3月27日、デルタ航空(DL)による羽田/シアトル線のデイリー運航を暫定的に認める決定をしたと発表した。ただし、デルタ航空が年間を通じて同路線を維持していくことが条件となる。DOTによれば、DOTの承認なしにデルタ航空がが1週間のうち2日運休すれば、即座にその権利を失うとしている。また、DOTは、同社が条件を満たさない場合、シアトル線の代わりとしてアメリカン航空(AA)が提案していたロサンゼルス線を認めることも合わせて決定した。
DOTは、この仮決定に対して4月6日まで反論を受け付け、それを受理した場合は、4月13日までに反論に対する回答を行う。
DOTは、DLが昨年10月から今年3月にかけてシアトル/羽田線を季節運休したことで、羽田発着枠の公的利益を見直すことを決定。これを受けて、AAがロサンゼルス線、ハワイアン航空(HA)がコナ線をそれぞれ申請していた。今回の仮決定で、DOTは羽田の発着枠について、AAによるロサンゼルス線とHAによるコナ線よりもDLのシアトル線が公的利益にかなうと判断したしたことになる。
DLは今回の仮決定を歓迎。3月29日から羽田/シアトル線をデイリー運航で再開した。今後、通年運航を行い、シアトルの国際線ゲートウェイとしての機能を拡充していく考えだ。
一方、HAのマーク・タンカリー代表取締役社長兼CEOは、「今回の仮決定に失望している」とコメント。羽田発着枠を利用した路線で最も成功しているのはHAのホノルル線であると主張するとともに、コナはホノルルとはまったく違うマーケットであり、DLやAAの提案よりも多くの公的利益を生み出すことができると強調。「今後、この手続において次のステップを考えている」と話した。