最新アプリで航空手荷物も追跡、デルタ航空でニューヨーク空港の最新ターミナルに飛んでみた

世界的なLCC拡大で価格競争が激しさを増す航空業界。LCCとは一線を画すフルサービス・キャリアでは、旅客サービスを始めとした様々な分野で価格に見合ったサービス向上への取組みが進んでいる。今回は、フルサービス・キャリアとしてサービス拡充を図るデルタ航空を紹介。ニューヨークで開催された「ジャパン・ウィーク(観光庁・日本政府観光局主催)」の取材で同社の成田/JFK線に搭乗し、最新アプリや機内プロダクト、新たに拡張されたニューヨークのJFKターミナル4の利便性を体感してきた。

▼使えるFly Deltaアプリ、預けた荷物もトラッキング

デルタ航空の成田/JFK線を利用する前に、アプリ「Fly Delta」をスマホにダウンロードしてみた。これを使えば、予約の確認やオンラインチェックインも可能で、搭乗の24時間前にはフライト案内が送信されてくる。もちろん、搭乗便の運航状況も一目瞭然だ。

Delta Flyでチェックイン

このアプリでチェックインすれば、スマホにQRコードが送られ、それがボーディングパスになる。預ける手荷物がなければ、空港のカウンターに寄らず、そのまま手荷物検査、出国審査を通過することも可能だ。ゲートでもQRコードをかざすだけ。とてもスマートな搭乗が体験できる。国内線では、オンラインチェックインの普及が進んでいるが、国際線でもその利便性は変わらない。就航している日本の空港すべて(成田、羽田、関空、中部セントレア、福岡)というから優れものだ。

このアプリの特長のひとつが、「Track My Bags」機能。預けた荷物が今どこにあるのかを追跡してくれるもので、特に乗り継ぎの場合には不安解消に一役買ってくれる。これを、実際に使ってみた。

成田で荷物を預けた後、出国手続きを済ませて、デルタ航空のラウンジでWi-Fiに接続。Track My Bagsを立ち上げると、午後3:19に「Bag on plane DL172」という表示。すでに搭乗する機材に積み込まれたのを確認した。問題はないと分かっていても、どこかホッとする。

Track My Bagsで預けた荷物の場所がわかる

このほか、世界の主要空港の情報と天気、デルタスカイクラブなどの情報も充実。デルタ航空のヘビーユーザーでなくとも、使える機能が満載だ。しかし、残念ながら今のところ英語版のみ。成田をハブとするデルタ航空が、日本語版をリリースすることに期待したい。


▼2015年1月に拡張工事が完了したターミナル4

日本上陸予定の人気ハンバーガー店も

ニューヨーク・JFK空港でデルタ航空は、ターミナル4を使っている。2015年1月には第2次拡張工事も完了した。同社のリージョナル便の一部がターミナル2から移動したことで、内際乗り継ぎの利便性も向上。さらに、エリアが広がったことで新しいショップやレストランも入り、搭乗までの時間の楽しみも増えた。

ターミナル4のマップ。2013年5月に拡張時は、ゲートB33~B42の9ゲートが新設。今回の再拡張では、B43~B54までの11のゲートが新設さた。ラウンジ「デルタ スカイクラブ」はB32ゲート付近。
高級バーガーのシェイク・シャックも楽しみ

ニューヨーク発の人気ハンバーガーショップ「シェイク・シャック」も2店舗入る。来年に日本初上陸が予定されている今が旬のシェイク・シャックは、マンハッタンにも数店舗構えるが、いつも混んでおり、帰国の際にこのターミナルでアンガスビーフ100%のバーガーを楽しんでから、搭乗するという日本人旅行者も多いという。

旅客向けのサービスも向上させてる。コンコースAとBからなるターミナル4はかなりの広さになるため、B18ゲートからB36以降B55ゲートまでシャトルバスが運行する。


JFKのスカイ・プライオリティー・カウンター。ここから専用出国レーンにも接続

また、ターミナル2にも接続。乗り継ぎの利便性を高めている。このほか、「NEED HELP?」として搭乗者向けの相談窓口を設けた。端末と電話があり、電話では日本語通訳にも対応している。これを利用すれば、再予約、座席の変更、その他手続きに関する質問などについて、直接デルタ航空のオペレーターとやりとりすることができる。


デルタ航空のラウンジも便利なロケーションにある。デルタ スカイクラブの広々とした空間は開放的。空港ラウンジとしては珍しく、屋外スペースのスカイデッキもあり、天気が良ければ、さらに開放的な気分で待ち時間を過ごすことが可能だ。しかし、屋外とはいえ禁煙なのでご注意を。

このほか、クワイエットルームやシャワールームなども完備。コンプリメンタリーのドリンクや食事に加えて、追加料金を払うと高級レストラン級の食事も楽しめる。エコノミークラスの旅客もラウンジのワンデイ・パスを購入すれば、利用が可能。DLホームページやFly Deltaアプリのほか、マイルとの交換でも購入が可能だ。

(Jim Sulley/newscast)

▼高需要・競合路線に最新プロダクト導入

ビジネスクラスで差別化

WS000195成田/ニューヨーク線は、日系2社、米系2社(ユナイテッド航空はニューアーク空港)が競合する高需要路線。そのかなで、同社のニューヨーク担当副社長のゲイル・グリメット氏は、「ビジネスクラスの最新プロダクトは大きなアドバンテージになる」と、他社との差別化に自信を示す。特に、全席通路側となる斜め配列のフルフラットベッド、ヘブンリーブランドの枕とコンフォーター、懐石風の和食をアピール。「日本人旅行者にも気に入ってもらっている」と付け加えた。

窓側、通路側の概念を覆した座席配列は、隣席への気遣いが必要なく、プライベート感がさらに高まっている。従来にはない斜めの配置もフライト中でも離着陸時でも違和感はない。ヘブンリーの寝具も、すでにウェスティンホテルで高評価を得ているだけに、その快適さは折り紙つきだ。くわえて、アメニティーキットもビジネスマンに人気のTUMIを採用するなどこだわりを見せている。

機内食もさることながら、力を入れているのがワインだ。著名な女性ソムリエが厳選したワインを取り揃えることで、食事のクオリティーをさらに上げている。さらに、コーヒーは、エコノミークラスも含めて、スターバックスに変更になっていることも付け加えておこう。


B777-200LR-2-sデルタ航空のビジネスクラス「ビジネスエリート」は今年3月1日からそのブランド名を「デルタ・ワン」に変更した。対象となるのは、日本/アメリカ本土線を含む長距離国際線と米国大陸横断路線(ニューヨーク/ロサンゼルス線とニューヨーク/サンフランシスコ線)。DLのブランド力を全面に出すことで、マーケットでの訴求力をさらに高めていく。
  • 取材協力:デルタ航空
  • 取材・記事:トラベルライター 山田友樹

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