ボストンコンサルティンググループ(BCG)が実施した世界の家計金融資産に関する調査によると、日本で100万ドル以上の家計金融資産を持つ富裕世帯は約110万世帯で、1位アメリカ(約690万世帯)、2位中国(約360万世帯)に次いで世界第3位となることがわかった。全世帯のうち富裕層の割合が多い国は、1位がスイスの13.5%、次いでバーレーンの12.3%、カタールの11.6%。同社では、2014年の世界の富裕世帯数の総数は1700万世帯となり、2013年から約200万世帯増と推計している。
また、金融資産が1億ドルを超える「超富裕」世帯数は、全世界で前年比11%増の10兆ドルとなり、合算すると世界の金融資産の6%に至ると推計。国別で超裕福世帯が最も多いのは、アメリカ(5201世帯)、中国(1037世帯)、イギリス(1019世帯)の順。全世帯のうち超富裕層の割合が多い国は、1位が香港(10万世帯あたり15.3世帯)、2位シンガポール(同14.3世帯)、3位オーストラリア(同12.0世帯)がランクされた。
なお、2014年の世界の家計金融資産全体は164兆ドル(前年比約12%増)で、日本に限ってみると14.3兆ドル(前年比2.5%増)との試算結果となった。地域別の金融資産推移をみると、日本を除いたアジア・太平洋地域が前年比29.4%増の47.3兆ドルと大幅な伸びを記録。ほか新興経済地域では、東欧が18.8%増と成長を見せたうえ、中南米で10.5%増、中東・アフリカで9.4%増といずれも1割前後の伸びとなった。一方で、先進経済地域では日本の2.5%増のほか、西欧地域が6.6%増、北米は5.6%増と安定的な規模で拡大。
同社では、2016年には日本を除くアジア・太平洋地域の同資産規模は57兆億ドルに到達し、北米エリアを超えて最多となると予測している。
地域別の家計金融資産の推移は以下のとおり。
この調査は同社が毎年実施し、「グローバルウエルス・レポート」として発表すもの。各国の家計金融資産規模、富裕世帯数推計、オフショア資産(税負担軽減を目的として、海外金融機関に預ける資産など)、プライベートバンキング業務の傾向などに基づいて分析を行う。
昨年2014年版の記事>>>
(トラベルボイス編集部)