米国では、「グローバルエントリプログラム」とよばれる入国手続きの効率化・モバイル化が進行中だ。「グローバルエントリ」とは、米国税関国境警備局が整備中のプログラム。空港のキオスク端末を使ってパスポートや米国永住者カードを提示し、指紋認証などを行うことで、人の手を介さずに税関手続きを完了できる仕組みだ。
旅行者にはその場で領収書類なども発行されるため、一連のプロセスが格段に高速化することが期待される。計画では、平均30%の待ち時間を削減することができるようになるという。
旅行者は事前にプログラムへの登録申請を行って厳密な審査を受ける必要があるほか、「モバイルパスポートコントロール(MPC)」とよばれるパスポートアプリをダウンロードしてスマートフォンやタブレットにインストール、写真や個人情報などを設定しておく必要がある。
現時点では、パイロットプログラムとして対応中のハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港やシカゴ・オヘア国際空港、シアトル・タコマ国際空港など米国のいくつかの空港にてこのアプリを使用可能。アプリは Google Play やApp Store からダウンロードすることができる。
そしてヒューストン空港では、米国土安全保障省・米国税関国境警備局の許諾を受け、2015年末を目標に、いよいよこのプログラムを正式稼働する見通しとなっている。
2015年6月にテキサス州政府観光局が都内ホテルで開催した「ヒューストンセミナー」では、ヒューストン空港 モーリーE・ウェイツ エアサービス部門ディレクターが登壇。モバイルパスポートコントロールの開発によって、空港の利便性が上がることをアピールし、このために自動チェックインキオスクなを増設している状況を紹介した。
なお、テキサス州には、トヨタの北米本社が2017年に移転を完了する。こうした状況を見越して、2015年6月にはANAが成田/ヒューストン線で直行便を就航しており、日本人のビジネス渡航者が増加していくものとみられている。