イタリア・ミラノ市からジュリアーノ・ピザピア・ミラノ市長が来日し、2016年の注目イベントとして、ミラノで4月から開催されるトリエンナーレ・ディ・ミラノ国際博覧会と、ミラノ・サローネ国際家具見本市を紹介した。市長は「ミラノ市にとって、二つのイベントの同時開催は初の試み。今年は万博開催で賑わったが、引き続きミラノに注目を」とアピールした。
*写真左からピザピア市長、ドメニコ・ジョルジ駐日イタリア大使、アレッサンドロ・ポリオ・サリンベーニ ミラノ市貿易観光マーケティング担当ディレクター、サベッタ広報ディレクター、カンチェッラート・ジェネラルマネジャー。
トリエンナーレはもともとミラノで始まった建築やビジュアルアートの祭典で、初回は1923年。第21回目となる来年のトリエンナーレ・ミラノは「21世紀 デザイン・アフター・デザイン(21st Century. Design After Design)」をテーマに、「新しい時代の都市計画や町のニーズに対応し得るデザインを提案する」とトリエンナーレ・ディ・ミラノのアンドレア・カンチェッラート・ジェネラルマネジャーは話した。開催期間は4月2日から9月12日の予定。
一方、トリンナーレ開始直後となる4月12~17日に開催予定のミラノ・サローネでは、「二大イベントの相乗効果を強く意識した」とマルコ・サベッタ同広報ディレクター。テーマには、1986年トリエンナーレで建築家・デザイナーのマリオ・ベリーニ氏が掲げた「ニュー・イタリアン・ドメスティック・ランドスケープ(New Italian Domestic Landscape)」を選定し、「イタリア各地を代表するデザイナー10人が考案した10の部屋を、ミラノの国立大学内の会場に展示する」(同ディレクター)。なお同テーマはもともと、1972年にニューヨーク近代美術館で建築家・デザイナーのエミリオ・アンバース氏が手掛けた企画展をベースにしている。
また今年のミラノ万博効果について、ピザピア市長は「例年、夏のミラノは静かだが、今年8月の旅行者数は前年比49%増。このうち54%が海外からとなった」と報告。日本パビリオンの人気は特に高く、時には6時間待ちの行列ができるほどだったという。さらに会場外でも、ミラノ・スカラ座を始め、多くの施設で関連イベントが開催され、ミラノ市全体が活況を呈したと話した。