ログノートは2015年9月28日から、 静岡県伊東市と共同で近距離無線通信技術「iBeacon」を使い、異なる店舗(企業)間で来店客をクーポン券などの配信で誘導しあう「2点間相互集送客事前決済システム」の試験運用を始めた。6月に群馬県のラーメン店のチェーンとコンビニエンスストアチェーンに初導入したのに続き、今回は第二弾の導入となる。自治体での導入はこれがはじめて。 群馬県の取り組みでは、スタートから3週間で約65%という高いクーポン券利用率を打ち出しした。
このシステムは、 スマートフォンに専用アプリをダウンロードして利用する。具体的には、 利用者がこれから飲食店を利用する場合、 まずiBeaconが設置してある市中やオフィスでクーポンを取得。その場で事前に注文予約を行って店舗に行くと、店舗内の席に設置されたiBeaconが識別作動し、利用者のスマートフォン画面に電子レシートを発行する。さらに着席テーブルに自動的に商品が提供される。
システムは、レジなどには依存せず、「2点の間で事前決済」「目的地到着段階で電子レシートをスマートフォンに提供」することを可能にしている。導入する企業や店舗側が個別専用アプリを用意する必要はない。 ログノートの汎用専用アプリ「ログノート(iOS版/Android版)」にこれを集約することで 導入側の煩わしさを解消した。なお、今回の試験運用は、A点でクーポンを受け取り、B点で活用する取り組みで、相互送客や決済は行わない。
ログノートによると、技術マーケティング手法のひとつとして「iBeacon」を利用するケースはこれまであったものの、2点間による事前決済までを含んだシステムは存在しなかったという。
今回の試験運用にあたって、 伊東市はすでに東京・月島のアンテナショップ「IZU de MUCHO(伊豆・デ・ムーチョ)」と伊東市内の観光施設など20カ所程度にiBeaconを設置しており、 今後市内のホテル・旅館や飲食店、土産物店、小売店などに順次拡大していく予定。
伊東市は観光客が市内を周遊しやすいインフラ・コンテンツとして提供し、この試験運用の結果によって、県と伊豆半島の市町が組織する連携事業体「美しい伊豆創造センター」、「伊豆半島ジオパーク推進協議会」と連携し、「伊豆もてなし半島」をスローガンとする伊豆半島全域での展開を目指す方向だ。