JTB総合研究所が実施した「シニアのライフスタイルと旅行に関する調査」で、団塊の世代(66~70歳)やその上の世代(71歳~79歳。若いころに空前の映画ブームを経験した世代であることから「キネマ世代」と呼ぶ)に聞いた「今後お金や時間を使いたいこと」のトップは「家族とのおでかけ(宿泊)」(30.9%)、2位「家族とのおでかけ(日帰り)」(20.7%)、3位「貯蓄や投資」(19.7%)に。家族との旅行やレジャーに対する期待度が高い様子がうかがえる結果となった。
一方、旅行や外出の頻度が減った理由をみると、「お金がない」(54.5%)、「同行者がいない」(13.2%)、「計画や準備がおっくうになってきた」(11.3%)が3大要因になっていることが判明。また、高年齢になるほど、健康への不安(通院に時間がとられるようになった、足腰が弱って長時間の移動が苦痛になってきた)を感じる割合が増加する状況も明らかになった。
この結果は、経済的な余裕に加え、「誘ってくれる人」「旅行の企画や準備をしてくれる人」の存在をきっかけに、外出や旅行の頻度が増える傾向にもつながるようだ。
レジャーや外出の頻度が減った理由は以下のとおり。
また、行ってみたい旅行の意向をみると、「全く新しい場所へ行く旅行」は団塊世代の女性(72.1%)がトップとなっている一方、「好きな場所や思い入れが強い場所を繰り返し訪れる旅行」「思い出の場所を巡る旅行」は男性のほうが多い結果に。さらに「湯治や検診など、健康づくりのための旅行」では、男女とも71歳以上のキネマ世代の割合が高い結果となった。
この調査は、首都圏、名古屋圏、大阪圏在住の20歳から79歳までの男女のうち過去1年以内に宿泊旅行(国内外問わず)を経験した3610名を対象に実施し、シニア世代にフォーカスして分析をおこなったもの。また、首都圏在住で「最近おでかけの頻度が減った」シニア(79歳~82歳)3名へのインタビュー結果も対象に分析された。