
2025年3月18日と19日に開催されるロサンゼルス・ドジャース対シカゴ・カブスのMLB東京シリーズに合わせて、ブランドUSA、ロサンゼルス観光局、カリフォルニア州観光局、シカゴ観光局、イリノイ州観光局は旅行業界向けに「MLB東京シリーズ・ツーリズム&ホスピタリティ・ショーケース」を開催した。
MLB観戦を目的とした米国への日本人旅行者が増加している。MLBによると、2024年のMLBの試合への日本人来場者数は、2019年比で311%増と大幅に増加。米国全体の日本人旅行者数は同51%減の184万人と回復が遅れるなか、米国の日本市場を牽引している。特に、ドジャースの大谷翔平選手と山本由伸選手の活躍によって、ロサンゼルスを訪れる日本人旅行者の80%以上が野球観戦が目的。2019年比で72%の回復と、米国全体の回復率を大きく上回った。
コロナ前は国際市場(カナダとメキシコを除く)で、日本は第2位の市場だったが、現在は第5位までランクダウン。ただ、ブランドUSAアジア太平洋担当グローバル・トレード・ディベロップメント・シニア・ディレクターのスージー・シェパード氏によると、今年2月単月では、日本人旅行者数は15万人を超え、第2位に上昇。回復の兆しが見えているという。シェパード氏は、「目的を持って訪米する日本人旅行者が増えている。今後は、MLBの試合だけでなく、その周辺を楽しむ旅程を訴求していきたい」と意欲を示した。
年間を通じて様々なスポーツイベント
ブランドUSAでは、今後もスポーツをフックとしたプロモーションに力を入れていく。2026年はカナダとメキシコの共催でFIFAワールドカップが開催され、決勝はニュージャージーで行われるほか、フロリダ州マイアミではWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の準決勝と決勝が予定されている。また、2028年はロサンゼルス五輪も開催されるなど、スポーツのビッグイベントが続く。シェパード氏は、「年間を通して、さまざまなスポーツが楽しめる」と話し、旅行会社に商品化を呼びかけた。
ロサンゼルス観光局も引き続き、ドジャースを強力な観光コンテンツとして打ち出していく考え。今シーズンは、新たに佐々木朗希選手も加わったことから、日本人旅行者の更なる上積みを狙う。今年は4月2日、5月15日、8月6日、9月10日に実施される大谷選手のボブルヘッドデー、4月28日に開催される「ジャパニーズ・ヘリテージ・ナイト」のほか、週8回行われる「日本語スタジアムツアー」がおこなわれる。
一方、鈴木誠也選手と今永昇太選手が所属するカブスのホームタウンであるシカゴ観光局は、全米で二番目に古い「リグレーフィールド」を紹介したほか、フランク・ロイド・ライトなどの建築、ジャズやブルースの音楽、国際色豊かな食などを訴求ポイントとして挙げた。
このほか、カリフォルニア州観光局とイリノイ州観光局は、2026年に開通100周年を迎える「ルート66」を紹介。米国らしい旅行スタイルとしてロードトリップのプロモーションを展開していく。