観光産業の春闘2025、2年連続の過去最高の賃上げ要求は「前進」、サービス連合が中間報告で手ごたえ

サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)は2025年4月8日、2025年の春季生活闘争(春闘)の中間報告(2025年3月末現在)を発表した。

サービス連合は、今春闘で過去最高水準の賃金改善率を掲げた2024年春闘(5%)を上回る6%の賃上げを要求している。他産業との格差が広がっているなか、2024春闘の成果を今後も継続できるかの「正念場」であるとの意気込みで取り組んでおり、前進している感触を得ているという。

2025年3月31日現在の状況では、今春闘で要求書を提出したのは137組合中84組合で、36組合が合意に至った。

賃金改善では、83組合が要求書を提出。ほとんどの加盟組合が実質的な賃金改善を要求しており、6%の賃金改善を要求したのは51組合。10%以上の賃金改善を要求した組合も10組合あったという。合意に至ったのは21組合で、6%以上の賃金改定で合意したのは7組合。改定率は5.21%(算出可能な加盟組合の単純平均)だ。

また、一時金は57組合が要求し、19組合が合意。単純平均で3.4カ月、夏季一時金は1.54カ月、年間一時金は3.10カ月。昨年を上回る水準で推移しているという。

このほかの要求として計69組合が、労働環境の改善に関する要求を実施。特に、年間総実労働時間1800時間の実現に向けた、休日数の増加や所定労働時間の短縮、年次有給休暇の拡大・取得促進などの要求が多い。

サービス連合会長の櫻田あすか氏は、「昨年並み、もしくはそれ以上の水準での合意も多い」と説明。特に賃上げに関しては「人手不足の課題感や人への投資の重要性について、労使間で共通認識が持てていることが、結果につながっている」と話した。

今春闘は、観光需要の好調な推移や昨年の春闘の成果を受け、地方を中心に要求書を提出した組合が増加したという。櫻田氏は、現在も中小の組合を中心に、交渉を続けている組合も多いとし、「今回の中間報告が、交渉中の組合の後押しになれば」と期待を示した。

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…