インバウンド消費動向に変化、北海道では低価格品目が消費増、飲食店などタビナカ需要対応が急務に ―日本銀行

日本銀行札幌支店はこのほど、「北海道における外国人観光客の消費動向と今後の課題」と題する経済レポートを発表した。2015年までを対象に、同支店による試算を交えながら道内における消費の特徴や今後の課題をとりまとめたもの。

2015年は1月に実施された中国に対するビザ発給要件緩和などにより、北海道への旅行者層が概して多様化。年収が低めの層の旅行者が増加したことで、全国と同様に、化粧品や医薬品などを中心に消費額が上昇している一方、低単価の品目を中心とする消費額増の傾向にあったとする。消費税免税対象となる品目の拡大もこの傾向をもたらしたひとつの要因とされる。

例えば百貨店では「免税品の売上高は伸び続けているものの、2015 年の夏頃から、外国人観光客による 100 万円を超えるような高額の腕時計の購入がやや鈍化していることなどから、客単価が低下した」、家電量販店では「カメラや炊飯器等の高価格帯商品のみならず、理美容品や医薬品・化粧品等の低価格帯商品に広がっているため、客単価が低下した」といった声も聞かれたという。

また、課題としては道内の宿泊施設の客室稼働率や道内空港発着便の搭乗率が大幅に上昇していることで、今後、外国人の受け入れに限界がおとずれる可能性も示唆。その場合、旅行者を増やすことで消費額の減少をまかなう方策が困難になる点を課題として指摘する。

解決・改善に向けた方策としては、消費単価が高い個人リピーターが回遊しやすいルートの開発や、さらなる消費(買い物)の利便性向上が有効とする。また、現状では「外国人お断り」としている飲食店などでも外国語対応充実を急ぎ、需要の取りこぼしを防ぐことが肝要としている。



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