国土交通省は福岡空港で2016年9月30日に発生した搭乗手続きが完了しないままの旅客が搭乗、定員超過状態で運航を開始した事案について、全日空に対する厳重注意をおこなった。
ANA256便(福岡発羽田行)にて搭乗手続き未了の旅客に対し、保安検査場でも搭乗手続き未了のまま検査を実施、搭乗口でも手続き未了のまま搭乗させたもの。その結果、当該機は定員超過のまま運航を開始し、駐機場を離れてから定員超過が判明。その後駐機場に引き返す事態に至った。
国土交通省では全日空に対して原因究明と再発防止策の検討を至急おこなうよう指示。(1)保安検査場における搭乗手続確認手順および体制の見直し、並びにこれらの確実な徹底策の策定、(2)搭乗口における搭乗手続確認手順の見直しおよびその確実な徹底策の策定、(3)搭乗旅客及びその数の確実な把握方法の構築、の3点について10月25日までに文書での提出を求めている。
国土交通省は8月5日に新千歳空港で発生した保安検査すり抜け事案を受けて再発防止を指示していたところ。今回の事案について、類似事案の発生と定員超過状態で運航開始に至ったことを保安・安全上きわめて遺憾だとしている。