エクスペディア ジャパン(Expedia Japan)の代表取締役社長 石井恵三氏が2017年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。
石井氏は、昨年10周年を迎えた同社の日本展開について振り返り。ローカライズを大きく強化、日本人に親しみやすいブランドを育ててきたが、これからも課題として持ち続けていくことであるとした。また、近年増えつつある国内旅行の取扱いでは、グローバル視点から見ても日本におけるインバウンド市場の成長は著しいとして、日本が「強化国」として指定されたことに言及。今後も日本市場の拡大に力をいれていく方針を述べた。
発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。
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2017年 年頭所感
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年の11月29日、弊社は日本でのサービスを開始して10年の節目を迎えることができました。エクスペディアは1996年、マイクロソフト社の旅行部門として、アメリカのワシントン州にて発足したサービスです。オンライン旅行サイトの先駆けとしてアメリカで基盤を築いた後、欧米諸国を中心に事業を拡大していきました。そして発足後10年、アジア初の国としてサービスを開始したのが日本です。
この10年を通して大きく強化してきたことの一つは、日本でのローカライゼーションです。当時の日本は現在と違い、オンライン旅行予約はまだ根付いておらず、また、海外発のオンラインサイトも多くない時期でした。日本には日本人ならではの独特の文化や価値観が根付いています。欧米で実施してきた形をそのまま日本に持ってきても受け入れられづらいものがあります。エクスペディアというアメリカでできたサービスを、いかに日本の人たちが使いやすいように改善し、また、いかに日本の人たちが親しみやすいと思えるブランドに育てていくかということは、弊社の課題として持ち続けていることです。
弊社のブランドキャラクターとしてお馴染みの「エクスベア」も、実は日本発のキャラクターです。日本でのサービス開始当初は「海外出張が多い人や英語に流暢な人たちのための旅行サイト」という印象が強く、より親しみやすいブランドとして受け入れて貰うために、日本用のキャラクターとして作りました。このように日本人に向けたサービスということを意識してきた甲斐もあり、今では幅広い層のネットユーザーの方々に、弊社をご利用頂けるようになりました。
弊社は「海外旅行」の印象が強いですが、近年は「国内旅行」の売り上げが大きく増加しています。
その一因として、日本におけるインバウンド市場の成長があります。海外からの訪日客増加に伴い、エクスペディアでお取引させて頂いている宿泊施設様の量も大きく増えています。担当営業の者も増やし、より地域に密着して宿泊施設様のサポートができるよう、今では全国6都市に支社を拡大しました。またグローバルの視点から見ても日本におけるインバウンド市場の成長は著しく、世界中の国を取り扱うエクスペディアの中でも日本が「強化国」として指定され、日本市場の拡大に力をいれています。それにより、日本人の方が国内旅行をするための宿泊先も充実してきました。
また弊社の強みとして、宿泊施設のみではなく、航空券も取り扱っていることがあります。日本では国内LCCを販売しており、エクスペディアを通して予約することで、より安く手頃な価格での国内旅行を実現することが可能となっています。最近は国内旅行のプロモーションも強化し、その成果が弊社内で如実にでております。
この場をお借りして、改めてここに至るまでの弊社の10年の歩みを支えて下さった宿泊施設様、航空会社様、政府関係者様、取引企業様をはじめとした皆さまに厚く感謝申し上げます。10年を通してエクスペディアは大勢の人に利用して頂けるサービスとなりましたが、まだまだ成長途中です。これからもグローバル企業として新しいサービスを日本市場に提供していくと同時に、より日本の人達が利用しやすいよう改善し、皆さまと一緒に日本の旅行業界を盛り上げて行きたいと存じます。
今年も弊社へご指導とご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。
エクスペディア ジャパン
代表取締役社長
石井恵三