京都府京丹後市丹後町で、配車サービス「ウーバー(Uber)」を活用して開始されたマイカー配車事業「ささえ合い交通」が、このほど1周年を迎えた。
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「ささえ合い交通」とは、過疎化によって公共交通サービスの継続が困難になった丹後町で、住民たちがマイカーとテクノロジーを活用して自分たちの”足”を確保すべく進めた取り組み。NPO法人 気張る!ふるさと丹後町が運営しており、国土交通省の公共交通空白地有償運送の適用を受け、支払いや配車には世界的な配車サービス「ウーバー」のプラットフォームを活用している。
京丹後市の発表によれば、この1年間のうち毎月平均60回以上の乗車実績を記録。利用者の約8割が地元住民によるもので、特に平日午前中が多く、スーパーや病院、役所といった日常生活の足としての利用のほか、観光のための移動手段にも活用。玄関先まで迎えに来てくれる点や、スマホがなくても電話で対応できる工夫が好評で、合計走行距離は、6754キロメートルにもおよんだ。
ただし課題もある。現在適用されている公共交通空白地有償運送制度では、移動目的地が丹後町以外の場合、現地で降車することはできても、戻ってくる際には地域の各交通手段を利用しなければならないため、さらなる利用者拡大に歯止めがかかっている状態という。同NPOでは今後も住民や観光客の利便性向上をさらに目指し、京丹後市や関係交通事業者への働きかけもおこなってゆきたいとしている。