フジサンケイグループで不動産の貸借事業やホテル・飲食店の経営などを行なうフジサンケイビルは、伝統的な京町家を宿泊施設の再生事業を開始する。このほど、第1号物件として、二条城から徒歩圏内にあり、京都市に「景観重要建造物」と「歴史的風致形成建造物」に指定された京町家の改修工事に着手。「京都二条 さわら木の宿(仮)」として、来春の開業を予定する。
サンケイビルでは京町家について、京都の風情ある街並みを形成する重要な構成要素であるが、近年は相続や維持管理の問題、老朽化による取り壊し、空き家の増加などの問題を抱えていると指摘。しかし、京都市内は慢性的な宿泊施設不足の状態にあることから、同事業では京町家を残しながら京都特有の滞在体験を提供するという、2つの課題解決をはかれるという。
コンセプトは「京都の街に暮らすように過ごす宿」。サンケイビルが京町家を貸借、または取得し、改修工事を行なって旅館業法の「簡易宿所営業」を取得した上で、1日1組限定の一棟貸し宿泊施設とする。素泊まりを基本としながら、地域の特徴を活かした体験や近隣飲食店の紹介、体験プログラムの導入などソフト面も充実させる方針だ。
サンケイビルでは同事業で、2020年度までに複数棟の展開を目指すとしている。