トリップアドバイザーは、旅行者のタビナカ体験予約(現地アクティビティや入場チケット)に注力をする。また、日本では旅行比較サイト(メタサーチ)としてオンライン旅行会社(OTA)らとのパートナー関係を拡充していく考えだ。同社日本法人代表取締役 牧野友衛氏が、このほど開かれたメディア向け説明会で明らかにした。
*写真:牧野氏と同社シニアプロダクトマネジャーの神川亜矢氏
同社の体験予約はグローバルでも急成長をみせている。そのコンテンツは、2014年8月にトリップアドバイザーの傘下となった米サンフランシスコ拠点の現地ツアー・アクティビティ予約サイト「Viator(ビアター)」が提供。直近の第2四半期決算では、総売上が前年同期比8%増の4億2400万ドル(約466億円)のうち9800万ドル(約108億円)を占め、前年同期比では31%増と好調な成長ぶりだ。
牧野氏によると、その傾向は日本でも同様。同社では、2017年5月にサイトリニューアルを実施しており、旅行者が旅行中にアプリなどを利用することを視野に現在地周辺で各種サービスを探す機能を強化してきた。こうしたことから、外国人による日本での体験予約の伸びも著しいといい、日本支社が今後注力するポイントのひとつビアターとともに「より一緒にやっていく」考え。
メタサーチとしてのOTAパートナーでは、今年は新たに近畿日本ツーリスト、Relux、アップルワールドが参画。世界的には、ホテルが直接参画し、OTAを介さずに直接予約につなげるインスタントブッキングの拡充が進められているが、牧野氏は日本ではOTAを介したメタサーチとしての位置づけで事業を拡大していく方針だという。
なお、海外サイトで展開されているバケーションレンタル(民泊)の展開では、日本で積極的な展開をする予定はないという。
トリップアドバイザーのユーザー動向は?
牧野氏は、2017年の日本国内の動きについても説明。特に、今年は国内ユーザーが増加し、それにともない国内旅行の利用率が増加したという。
同社では、日本独自の展開としてLINEログイン導入やサイト内の日本語検索の改善(ディレクトリ検索、サジェスト機能の導入など)で日本向けサービスの改善を進めてきた。日本オフィス独自のブログを開設するなど、各種取り組みの結果、この1年でユーザーは約30%増加したという。アプリを含むモバイル比率は6割程度に達した。
一方で、外国人ユーザーからの日本への注目も高い。説明会では外国人の日本のコンテンツに関する閲覧状況も発表された。
日本を閲覧している国では、米国が群を抜いた1位に。2位に中国、3位に台湾が続いた。トップ20は以下の通り。
また、日本と同時に閲覧されている旅行先についてのデータも。同時に閲覧していることから、旅先として比較検討する競合先としてみることができる。各国でヨーロッパと比較している結果がみえ、牧野氏は「日本にとっての競合は、実はヨーロッパという見方もできるかもしれない」と話した。