JTB総合研究所はこのほど、スマートフォンの利用と旅行消費に関する調査(2017年版)を実施した。それによると、「SNSの投稿で行ってみたい思った場所に実際に出向いた」(18.3%)、「SNSで知った情報でいいと思ったものを購入した」(16.9%)となり、いずれも2015年から徐々に増加傾向にあることが判明した。
一方で、「SNSで知り合った人に会いに出かけた」(6.2%)、「SNSは見るだけで、投稿はしなくなってきた」(31.5%)は、昨年よりも減少。いわゆる「SNS疲れ」が浸透している反面、SNSきっかけにした消費行動が拡大する様子がうかがえる結果に。
SNSの種類別にみると、外出や購入のきっかけになったのは「インスタグラム」が最多で、ツイッターが続く結果となった。
「SNSで経験したこと」の推移は以下のとおり。
SNS別・SNSで経験したことは以下のとおり。
旅行商品の購入はスマホ経由が45.2%に拡大
旅行関連消費に関してみると、スマートフォンを利用した旅行商品の予約・購入経験者の割合は、2013年には19.4%だったが2017年には2倍以上の45.2%に拡大。海外パッケージツアー以外の、宿泊(25.2%)、国内ツアー(14.0%)、航空券(10.5%)などはすべて3年連続で増加した。
一方で、「スマホで購入しなかった理由」としては、「スマホでいろいろな情報を入力するのが面倒」「高額な商品をスマホで入力するのが不安」といった声が多くきかれた。
同社によれば、海外ツアー予約でスマホ利用が敬遠される理由として、個人旅行(FIT)やダイナミックパッケージの割合が増加しているのに加え、海外ツアー予約時にはパスポート番号をはじめ煩雑な入力が必要である点を示唆している。
スマホで予約購入した旅行関連商品の推移は以下のとおり。
スマホで予約購入をしなかった理由は以下のとおり。
この調査は、2017年9月25日から26日にかけて実施したもの。首都圏、名古屋圏、大阪圏在住の18歳から69歳までの男女1万名を対象にスクリーニング調査を実施。その後の本調査は、プライベートでスマートフォンを利用し、過去1年以内に1回以上の国内旅行(日帰りを含む)を実施した人1030名を対象に実施した。