【年頭所感】HISジャパン プレジデント 中森達也氏　―新たな価値を提供する“未来創造型企業”を実現

エイチ・アイ・エス（H.I.S.）常務取締役でH.I.S. ジャパンのプレジデントを務める中森達也氏が2018年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。

中森氏はHISならではの取り組みとして、「旅を通じた感動や経験を享受できる商品・サービスの提供」に言及。顧客の変化に合わせて適切な差別化を図っていく方針を強調した。旅行業界全体として海外旅行需要を喚起するほか、法人顧客へのアプローチや海外現地法人でのアウトバウンド事業展開にも注力。新たな価値を提供する「未来型創造型企業」を目指していきたいと語っている。

発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。

2018年 年頭所感　―新年のご挨拶にかえて―

新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

振り返ると2017年の旅行市場は、外的要因や地政学的リスクが伴ったものの、欧州テロ等からの回復もみられ、海外旅行は、2年連続日本人海外渡航者数が前年を超えプラス成長となりました。

しかしながらここ数年、日本における海外出国者数は、1700万人台に停滞しています。隣国、韓国の人口は、日本の半数以下にもかかわらず、出国者数は2200万人（出典：2016年UNWTO）に達しており、今後、東南アジアにおいても飛躍的なアジア大航海時代が訪れようとしています。アジアの方々の大きな潮流を捉え、日本からの海外渡航者数を2000万人まで引き上げるべく、H.I.S.のみならず旅行業界全体で協力して海外旅行需要喚起に取り組んでいきたいと考えております。今後の市場拡大には、新たな顧客の創造が必要であり、私たち旅行会社の役割が重要であると感じています。

旅行業界では、OTAや、C2Cのプラットフォームビジネスなど、新しいビジネスモデルを持った業態のプレーヤーが躍進し、お客様の購買行動の変化も加速しています。単なる手配業者では無い、H.I.S.であるためには、ひとりでも多くのお客様に旅の素晴らしさを伝え、旅をしなければ味わえない感動や経験を享受できる商品やサービスを提供し、差別化を図っていくことが、どのお客様にも必要不可欠な提供価値の一つだと考えております。

一方で、海外渡航者数を増加させるためには、H.I.S.にとってレジャー需要のお客様のみならず、長期にわたるコミュニケーションを持って接する、団体・法人といった業務、公務のお客様に対してのアプローチが、必須であります。H.I.S.の強みである、海外70ヵ国156都市271拠点を通じて旅先の情報収集、手配力、そして何よりお客様へ「安全・安心」な旅の提供を行い、国内外のMICE事業強化にも注力してまいります。

また、アジアの大きな潮流を捉え、海外現地法人におけるローカルマーケット向けのアウトバウンド事業展開にも注力してまいります。その取り組み自体が、訪日旅行に繋がり、日本の魅力を世界に向けて発信していく事に繋がります。海外のアウトバンド事業強化により、訪日旅行が活性化し、国内旅行マーケットにも波及する効果を得られると考えております。海外のアウトバンドのみならず、訪日・国内旅行を通じて、相互理解の促進を図り、日本各地の皆様とともに地域活性化にも寄与してまいりたいと考えております。

私どもH.I.S.は、創業38年目を迎えました。私たちを取り巻く環境はめざましいスピードで変化していますが、お客様が旅行として捉えられる時間的な概念のすべての瞬間にH.I.S.が関わり、新たな価値を提供していく“未来創造型企業”の実現を目指し、旅を通じて人類の創造的発展と世界平和に貢献してまいります。

本年も引き続き、株式会社エイチ・アイ・エスおよびH.I.S.グループへのご理解、ご支援のほど宜しくお願い申し上げます。

株式会社エイチ・アイ・エス 常務取締役