日本観光振興協会(日観振)は、全国の観光ボランティアガイド組織を対象に、実態調査を行なった。
これによると、全国のガイド組織の数は1693組織で前回2015年調査(1688組織)の結果とほぼ同じ。これに対してガイドの数は4万6159人となり、5%増となった。特に東京オリンピックを控え、東京都のガイド人数が約2.7倍に急増したことが、全体の人数増加を押し上げた。平均年齢は65.1歳。
ガイドの料金については、28.8%の組織が無料で実施。実費のみ徴収が29.0%、有料が26.3%。有料の場合の設定基準は「ガイド1人当たり」が最多で、料金は1000円以上3000円未満が約半数。次に多い設定基準「お客様1人当たり」では500円以上1000円未満が約半数だった。
外国人観光客に外国語で案内対応をする組織は全体の2割強の312組織で、前回よりも約5%増加。英語が89.1%と最多で、中国語が26.6%、韓国語が15.7%と続く。ガイドの数でみると、外国語対応が可能なガイドは3674人で全体の約8%。英語が83.6%、中国語が6.4%、韓国語が3.0%の順だ。外国語表記の配布資料を有する組織は33.8%、音声ガイドの貸し出しを行なう組織は2.4%と少ないが、スマートフォンやタブレット端末などの活用といった対応手段の広がりがみられるという。
同調査は2017年12月~2018年1月に実施したが、2018年1月4日施行の通訳案内士法の改正により、通訳案内紙による業務独占が廃止となることを知らなかった組織が約8割にのぼったという。法改正後の活動内容としては、「通訳案内士資格のない人によるガイドの質の低下をどう防ぐか」というものから、「外国人旅行者に対する有料のガイドサービスの提供を検討」「通訳案内士と連携したガイド活動」などがあがった。通訳案内士が在籍していても、無料でガイドを行なっている組織もある。
年間の案内実績は1組織あたり1000人以上3000人未満が最多。日本人に対する案内が89.1%で圧倒的に多い。組織としての年間収入は10万円以上50万円未満(43.3%)が最も多く、50万円以上1000万円未満(14.4%)、100万円以上500万円未満(14.2%と)続く。会員からの会費(66.1%)、ガイド収入(56.7%)、自治体等からの補助金(46.0%)、自治体等からの委託費(22.0%)などが主な収入内容となっている。