伊藤忠商事は、カタログギフトの大手で第3種旅行業登録をするリンベルと、中国人富裕層を対象にしたインバウンド観光事業で業務提携を行なった。
訪日旅行者の旅行消費額は2018年に約4兆5064億円に達し、そのうち訪日中国人による消費額は全体の34.1%を占める1兆5370億円に拡大。訪日客のリピーターが半数を超え、旅行形態は地方への個人手配、消費対象が日本のコンテンツを楽しむコト消費への需要が増えていくなか、特に訪日中国人の富裕層でその傾向が強まり、マーケットインの発想での商品開発とアプローチが必要と考えた。
リンベルとの業務提携は、同社がカタログギフトの大手として日本全国にネットワークを持ち、地方でも良質で独自性のある旅行商品作る基盤があると判断。業務提携では中国人富裕層の潜在的ニーズを捉え、日本の文化や伝統を体験できる企画や、宿泊と食事における特別なプランを開発する予定だ。
さらに伊藤忠では、戦略的資本・業務提携パートナーであるアジア有数のコングロマリットのCPグループと連携し、CPグループの中国人富裕層ネットワークを活用。旅行商品の企画・開発と実証を行なった上で、本格的な商品提供を開始する。アリババグループの旅行プラットフォーム「フリギー(Fliggy)」への出店も検討しているという。
伊藤忠では今後、リンベル社とのインバウンド観光事業に関する業務提携と国内外の伊藤忠グループとの連携を深め、アジアの富裕層向けの新規事業開発や既存事業との相乗効果も創出していく方針だ。