旅行比較サイト(メタサーチ)の世界大手「スカイスキャナー」は、従来の旅行比較検索サービス(メタサーチ)と並行して、アプリとモバイルウェブで新たな航空予約サービスを開始した。まずは、オーストラリア、シンガポール、イギリスの3か国でスタートしている。
新たなサービスは、従来から提供しているダイレクトブッキング(サプライヤーからの直接予約・購入)と比較検索後にサプライヤー側サイトで予約を行うメタサーチ機能とは別に提供されるもの。スカイスキャナー自体が販売元となり、ユーザーはスカイスキャナーの商品として旅行商品を予約・購入できる。モバイル内で検索結果から他社サイトに遷移することなく予約が完結する流れだ。
新サービスの旅行商品は、トリップドットコム(Trip.com)、JetMax、Checkmyfaresの3社からシステム連携で提供されることで実現した。検索後に表示される「Book」ボタンがついているものが対象の商品となる。この新サービスから商品を購入したユーザーは、スカイスキャナーのカスタマーサービスで予約の変更も可能となる。
同社のブライアン・ドーブCEOは「旅行の計画をモバイルでする人はますます増えているが、旅行業界はまだこうした消費者のニーズに応えきれていない。多くの人がモバイルで旅行の計画を始める。スカイスキャナーのモバイルのトラフィックは世界で65%、ある地域は80%にも達している。しかし、大部分がモバイルからPCに切り替えて予約を行っているのが現状だ。それは旅行者が望んでいることでないし、次世代の旅行トレンドに応えるものでもない」とコメント。
さらに「スカイスキャナーは、旅行者にとって最適なサービスを提供していく。世界の幅広いフライト選択肢・最適な価格とモバイルの利便性をあわせもつサービスを望む声がスカイスキャナーにも多く寄せられている。まだ航空券予約サービスは始めたばかりだが、すでに素晴らしい結果をあげている。スカイスキャナーで初めて航空券を予約した旅行者は、メタサーチパートナーの平均よりも52%も高い再訪予約率を示し、コンバージョン率も高い」と自信を示す。
フォーカスライトによると、ドーブCEOは、同社の戦略変更について、親会社であるトリップ・ドットコム・ドットコムグループに触発されものと応えている。航空会社のウェブサイトでしか販売されていない座席指定、機内食、アップグレードなどの付帯サービスについて、将来的にはNDCとの接続でスカイスキャナーの予約導線に加えたい考え。