世界の海外旅行者数が9月までで11億人に、受け入れは中東がトップ、現地消費額はフランスが1割増

国連世界観光機関(UNWTO)は最新の「ワールド・ツーリズム・バロメーター」を発表した。それによると、今年1月から9月の世界の海外旅行者数は前年比4%増の約11億人で前年よりも4億3000万人増加。UNWTOでは、世界で観光開発の潜在性は引き続き大きいが、同時に持続可能な観光に向けた課題もあると指摘している。

その成長率は世界の経済成長率よりも高い伸びとなった一方で、世界経済の鈍化、貿易戦争や政治的緊張の高まり、ブレグジットを巡る混乱は引き続き海外旅行市場に影を落としており、今年7月から9月の北半球の成長率はなだらかなものになった。

UNWTOのスラブ・ポロリカシュヴィリ事務局長は、「観光は引き続き力強い成長を示している。同時に、観光は持続可能な社会に向けた動きを前に進める力もある。旅行者が増え続け、観光事業も成長を続けるなかで、観光は世界の人々とこの地球に対して責任を負う産業でもある」とコメントしている。

今年9月までの観光による収益を国別で見ると、オーストラリア(前年比9%増)、日本(同8%増)、イタリア(同7%増)は増加している一方で、中国とアメリカは減少した。

海外旅行者の受け入れでは、中東が同9%増でトップ。以下、アジア太平洋とアフリカが同5%増、ヨーロッパ同3%増、南北アメリカ同2%増。アジア太平洋のなかでは、南アジアが同8%増でトップ。以下、南東アジアが同6%増、北東アジアが同5%増、オセアニアが同2%増と続いた。

現地消費額では、ドル高の影響もありアメリカが同6%増。ヨーロッパでは2年連続でインバウンド旅行者を増やしたフランスが同10%増。そのほか、スペインが同10%増、イタリアが同9%増、オランダが同7%増。

中国では、アウトバウンド旅行者は同14%増となったものの、消費額は同4%減に落ち込んだ。

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