パリ五輪でホテル価格が4倍まで高騰か、一方で民泊規制は強化、物件所有者への課税法案を議会に

写真:ロイター通信

フランス・パリ市観光局は、2023年からパリ五輪が開催される2024年夏にかけての市内ホテルの価格が314%増加するとの予測を報告書のなかで明らかにした。パリ地域のホテル1泊の平均料金は2023年7月には169ユーロ(約2万7000円)だったが、2024年7月には699ユーロ(約11万3000円)まで高騰すると予想されている。報告書によると、価格上昇率は2つ星ホテルで366%、3つ星ホテルで475%になる見込み。

また、報告書では、「約66%のホテルがまだオリンピック期間中の予約を受け付けていない」として、予約プラットフォームを開くのが遅すぎるとホテルを批判している。

パリ市の観光・ナイトライフ担当副市長、フレデリック・オカール氏は「五輪期間中、ナント、リール、レンヌなどで1泊200ユーロ(約3万2000円)のホテルに泊まり、パリまで通う旅行者も増えていくだろう」との見解を示した。

ロンドン五輪の時は、ホテル価格があまりに上昇したため、逆に稼働率が12%も下がった。オカール氏は「10%や15%の値上がりならまだしも、3倍はありえない。このままでは、エアビーアンドビーだけが得をするだけでは」と話す。

民泊の規制案が議会へ、物件所有者に新たな課税か?

五輪を前に、フランス議会は、観光用住宅の違法賃貸(違法民泊)を取り締まる法律を可決すると見られている。新たな規制として、住宅を賃貸する所有者に課税することが予想されている。この規制案は11月28日に議会に提出される予定。

パリでは現在、年間最大120日間、家を民泊としてレンタルすることが認められているが、パリ市の住宅担当副市長ジャック・ボードリエ氏は「パリ市は法律を遵守してもらうのに苦労している」と明かす。

年間の違法賃貸は約2万戸に上り、2021年から2023年にかけて、違法に自宅を賃貸した所有者への罰金は総額650万ユーロ(約10.5億円)にも及んでいる。

※ユーロ円換算は1ユーロ161円でトラベルボイス編集部が算出

※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。

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