韓国に新たなIR施設(統合型リゾート)が開業した。ソウル・仁川国際空港から車で約15分の位置にエンターテインメントリゾート「INSPIRE(インスパイア)」が昨年11月末にソフトオープン。2024年初頭にグランドオープンを予定しており、東京ドーム約10個分、約2兆ウォン超が投資された巨大施設となる。韓国初の多目的アリーナや韓国最大級のカジノ、ホテル、MICEのさまざまなエンターテインメント施設で構成される。
グランドオープンに先がけて開業したのは、ホテル、アリーナ、MICE施設、飲食店、屋内ウォーターパーク。ホテルは3棟で構成された5つ星ホテルで、全1275室の客室はスタンダードからスイートルーム、ラグジュアリーヴィラスイートまでそろう。高級スパブランド「V SPA」、高級フィットネスブランド「マトリックス」のフィットネスセンター、宿泊者専用プールも備える。
K-POPやJ-POPで「推し活」に期待
日本からの旅行者誘致に向け、2023年12月には日本でプレカンファレンスを開催。来日したインスパイア・エンターテインメント・リゾートCMOのマイケル・ジェンセン氏は「推し活」をキーワードに掲げ、「新たなアリーナ体験を北東アジアの方々に提供していきたい。そのコンテンツとしてK-POP、そしてJ-POPなども考えられる」と話した。
インスパイアは、総合型リゾートを開発・運営する米・モヒガン社の傘下企業。ジェンセン氏は、アジア参入について、「モヒガンが北米で25年以上にわたって培った信頼が強い基盤となっている。そこでの学びやコンプライアンスを基盤に、高いレベルでインスパイアを運営できると考えている」と自信を見せた。
また、同社は、施設全体で韓国カルチャーを表現し、日本を筆頭に北東アジアに提供していくことも事業戦略として掲げる。パートナーシップに関しては「従来型の旅行代理店、OTA、アグリゲーターを含めて提携関係を結んでいきたい」考え。
2024年の第1四半期には韓国最大級の外国人専用カジノや商業施設、第2四半期には屋外体験型エンターテインメントパークやフードコート、韓国最大の没入型デジタルアート展示施設などが順次オープンする予定だ。