米運輸省が義務化した、「航空券の合計金額が確認できる」新規則に対し、米航空各社が提訴、ジャンク手数料は年間5.5億ドル

ロイター通信によると、米国の航空業界団体エアラインズ・フォー・アメリカ(AFA)とアメリカン航空、デルタ航空、ユナイテッド航空、ジェットブルー航空、ハワイアン航空、アラスカ航空が米運輸省(DOT)を提訴した。航空料金の事前開示を義務付ける新たな規則を巡るもの。ロイター通信が訴状の写しを確認した。

米運輸省は、2024年4月、航空会社と航空券販売代理店に対して消費者が必要ない、または予期せぬ手数料(いわゆるジャンクフィー)を回避できるように、航空運賃と一緒にサービス料の明示を求める規則を最終決定した。

AFAは、5月13日付の声明で、DOTの新規則は消費者を混乱させるもので「民間企業の運営を規制する試みは、その権限を超えている」と反発。また同規則は「恣意的で、裁量権の乱用であり、法律に反する」と主張した。

DOTは同日、「隠れた料金から消費者を強力に守り、航空券の購入前にフライトにかかる合計金額を確認できるようにする規則を堅持する」と反論。DOTは先月、新規則で多くの消費者が航空券購入に支払う手数料が少なくなると発表していた。

予期せぬ手数料=ジャンクフィーは年間5.5億ドル

DOTは、消費者が支払い過ぎている手数料が年間5億4300万ドル(約841億6500万円)と推計。手荷物やフライト変更にかかる手数料は「各社のウェブサイト上で、運賃とスケジュールが最初に提示される際に、個別に開示されなければならない。ハイパーリンクを通じての表示はできない」と述べている。

また新規則では、航空会社が課す全ての手数料を含まない安い基本運賃から割引した料金を宣伝することも禁じている。さらに航空会社に消費者に座席が保証されていることと、追加料金を支払う必要がないことを通知することも義務付けている。

※ドル円換算は1ドル155円でトラベルボイス編集部が算出

※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。

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