国土交通省は、能登半島地震発生から1年となる2024年末時点での復旧・復興の今後の主な予定を明からにした。
まず、復興まちづくり計画では、計画を作成するすべての被災市町は、2025年3月までに、計画を策定・公表する見込み。まちの復興に向けた機運醸成のため開催される輪島の朝市イベントについては、2024年12月24日時点で仮設店舗・仮設工房も5市町で計112 区画がオープン。今後も、冬季の屋内開催や2025年春以降の定期開催化を予定する。
観光関連では、和倉港について、護岸の復旧が温泉地全体の再生と密接に関わるため、和倉温泉の魅力の維持などに配慮しながら、民有の護岸も公有化した上で復旧する。2024年12月20日には、護岸の本復旧に全面着工。今後は、国の代行復旧などを進め、旅館の営業再開予定を踏まえつつ、2026年度中の可能な限り早期の工事完了を目指す。
和倉温泉旅館の再生、2025年3月までに復興プラン
和倉温泉の再生に向けては、2月に目標などを描いた「和倉温泉創造的復興ビジョン」策定後、和倉温泉創造的復興まちづくり推進協議会で具体的な復興プラン作りが進められている。2025年3月を目途に復興プラン(案)が公表される予定で、あわせて「護岸復旧と一体となった和倉温泉の地域観光再生支援プラン(仮称)」を策定。和倉温泉旅館協同組合加盟の全21の旅館の営業再開や護岸復旧の見込み、活用可能な支援策を具体化させる。
その後は、「支援プラン」を随時改定し、旅館再開の見込みを明らかにしていく。現時点では2025年度中に21軒中9軒が再開の見込み。また、観光再生に向けた復旧・復興計画の策定・実行を支援していく。
旅行需要の喚起については、今後の復興状況や地元の意見を踏まえて、能登を対象とした復興応援割の実施を検討するほか、観光再生に向けた復旧・復興計画の策定・実行を支援していく。
観光列車「のと里山里海号」の運行再開へ
交通関連では、能登空港について、滑走路上の段差や滑走路外の被災箇所の復旧を実施しており、2025年度中の復旧完了を目指す。
地域公共交通については、2025年3月を目途に、県と関係市町などが広域で「能登地域公共交通計画」を策定。持続可能性を向上させる計画とし、それに基づいて、2025年度以降、のと鉄道の事業再構築、観光列車「のと里山里海号」の運行再開、市町をまたぐデマンド交通の導入や公共ライドシェアの導入などによる「交通空白」解消の取り組みをおこなう。
鉄道では、穴水駅について、2025年度末にかけて、駅舎のコンセプトや機能などについて検討していく。