マレーシア政府観光局は、ASEAN Tourism Forum 2025の記者会見で、新たな観光キャンペーン「Visit Malaysia 2026」(VM2026)を発表した。このキャンペーンは、マレーシアを世界有数の観光地とすることを目指すもの。意欲的な目標と戦略を掲げた。
テーマは、「豊富な文化と持続可能な観光デスティネーション」。高付加価値観光と持続可能な観光(サステナブルツーリズム)の2つに重点を置いている。具体的には、シンガポールやタイなどの近隣国から、より高い消費力を持つ観光客の誘致し、地域社会のエンパワーメント、エコツーリズム体験の充実、観光インフラの改善などを目指す。
観光客数の増加、文化的およびエコツーリズム体験の充実による滞在の長期化、ニッチな観光体験を促進することによる高い消費の3つを戦略に掲げた。
マレーシアは、2026年に向けて国内観光客数2億6100万人、観光収入1152億リンギット(3兆4560億円)と、国際観光客数5560万人、観光収入1471億リンギット(4兆4130億円)という野心的な目標を掲げている。
リピーター旅行者とカスタマイズされた体験の重要性
マレーシア政府観光局のダトゥク・マノハラン・ペリアサミ総局長は記者会見で、リピーターとカスタマイズされた体験の重要性を強調した。また、世界中の旅行者の多様性を考慮し、VM2026では市場ごとのアプローチをおこなう。
インド市場では、高額消費を伴う結婚式需要、欧米市場ではエコツーリズムと文化遺産、タイやシンガポールなど近隣国市場ではロードトリップや越境旅行を促進する。
ペリアサミ総局長は、「Visit Malaysia 2026は、単なる観光キャンペーンではなく、文化、自然、現代性のユニークな融合を世界に発信する包括的な取り組み。そして、マレーシアは世界的な観光ハブとして再定義されるだろう」と強調した。
また、観光客との接点として重要なソーシャルメディアを重要視。キャンペーンでは、「#NatureToNature」などのハッシュタグを活用し、若年層や世界中の旅行者にアプローチする。TikTok、Instagram、Facebook、YouTubeといったプラットフォームを通じて、VM2026のメッセージ告知の強化を図る。
※リンギット円換算は1リンギット30円でトラベルボイス編集部が算出