2014/15年にかけて世界的なビックイベントが予定されているカナダ・オンタリオ州。このほど観光局本部からプレジデント&CEOのロナルド・ホルガーソン氏(写真:中央)とマーケティング担当副社長のリサ・ラベッチア氏(写真:右)が来日し、ビックイベントの観光への意義や同州の魅力を語った。
オンタリオ州では、2014年にはトロントで「ワールド・プライド」(6月20〜29日)の開催が決定している。このイベントは世界的に大きな可能性を持つといわれる市場、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)の世界的なイベント。LGBTは性的なマイノリティーとされてきた市場だが、ホルガーソンCEOはイベントについて性的な意味合いだけでなく、「誰もが差別なく楽しむことができるもの」と差別をなくすイベントである意義をアピール。今年10月には日本・大阪で「レインボー・フェスティバル」が予定されており、こうしたつながりをもとに日本人旅行者にも関心を高めてほしいと語った。また、オンタリオ州は1999年に同性婚を認めており、LGBT旅行者にフレンドリーであるホテルが多いという。
2015年はトロントが「バンナム・ゲームズ」のホストシティに決定、またカナダ全土で開催予定の「FIFA女子ワールドカップ」ではオタワで試合が予定されている。特に、日本で注目度が高い女子サッカーがカナダで行われることに対しての期待は高い。ラベッチア氏はトロントがサッカーと同様に「マルチカルチャー」な街であることに触れ、各国料理を提供するレストランや様々なホテルなど選択肢の豊富さを紹介。世界中から訪れるスポーツファン、観光客が楽しむことができる街であることを強調した。
▼2012年の日本人旅行者は前年比11.5%増、羽田便就航に期待
2012年に日本からオンタリオ州を訪れた日本人旅行者は前年比11.5%増の9万2500人。また、カナダを訪れる日本人のうち約4割が同州を訪れているという。ホルガーソン氏は旅行者数、シェアともに「2013年も同様の成長を維持したい」と意欲を見せた。
また、このほど決定した羽田空港の昼間発着枠にカナダが2路線含まれており、羽田からカナダへの新規路線開設が期待されている。トロント・ピアソン空港からダウンタウンへは2015年の「パンナム・ゲーム」に向けて鉄道を走らせる計画があり、実現すれば観光のアクセスは格段に向上する。こうしたことも含めて、日本からの新規路線への期待は高く、今後も日本市場でのプロモーションを強化していく方針だ。