
世界大手オンライン旅行予約トリップ・ドットコム(Trip.com)は、訪日旅行者の地方誘客を強化する。パートナー向けのイベントに参加するために来日したトリップ・ドットコム・グループのサニー・サン氏は、トラベルボイスとの単独インタビューで、「中国人人旅行者だけでなく、グローバルからの旅行者に対して、まだあまり知られていない日本の魅力を紹介していく。日本チームは、どうすれば長期的に地方に対して貢献できるか検討している」と話し、地方分散に注力していく考えを示した。
その取り組みの一つとして、同社が独自に展開するライブ配信で、新たにショッピングカート機能を追加した。これは、複数都市を組み合わせて購入する顧客に対して、クーポンを発行するもの。サン氏は「この機能によって、東京などの大都市に加えて、他の地域への訪問を促すことができる」と期待を示した。
また、地方の観光ルートの提案では、アプリに実装している対話型AI旅行ガイド「TripGen」の活用も紹介した。
サン氏は「地方への送客が可能なのは、日本の業界全体のサプライチェーンと深い協力関係が存在しているからこそ」と話し、今後も引き続き、地方自治体や事業者との関係を強化していく考えを示した。
このほか、2025年4月13日に開幕する大阪・関西万博についても言及。トリップ・ドットコムは、単品チケットだけでなく、体験型パッケージ商品として押し出していく。サン氏は、「万博を契機に、関西や他地域に足を運んでもらえるパッケージ商品も広げていきたい」と明かした。
「最近三重県を訪れて、その美しさに感銘を受けた」とサン氏。今年の労働節休暇は前後で予約増加と予測
トリップ・ドットコムの業績は、コロナ禍後、順調に回復している。サン氏は、2024年を振り返って、「本当に早いスピードで成長した」と評価。中国発の海外旅行は、前年比30%増、グルーバル発の国際事業は同70%増となった。また、流通取引総額(GMV)は、1.2兆人民元(約24兆円)を超えた。サン氏は、「トリップ・ドットコムが掲げるG2(Great QualityとGlobalization)戦略が成功している証」と自信を示す。
その中で、中国発、グローバル発とも日本が人気トップの目的地になっているという。今年の春節休暇期間の予約件数は前年比200%と大きく伸びた。
トリップ・ドットコムによると、今年の春節の特徴として、中国国内では国内旅行よりも海外旅行の成長率が高まった。また、休暇期間(1月28日~2月4日)の前後で予約が増加。この傾向から、今年の労働節の休暇(5月1日~5日)でも、その前後で予約が増えると予想している。
「2025年も日本市場への期待は大きい」とサン氏。ワンストップ型のグローバルOTAとして、「パートナーと共に、ディープな観光資源を体験できる商品を開発していく」と意欲を示した。
※人民元円換算は1人民元20円でトラベルボイス編集部が算出