北米で人気のネット旅行予約「ホッパー(Hopper)」が日本で事業開始、三井住友カードと「Vトリップ」提供、秋にはパッケージツアーも

三井住友カードは、北米で人気ネット旅行予約の「ホッパー(Hopper)」とカード会員・V会員向けの旅行予約サイト「Vトリップ」のサービスを開始した。Hopper Technology SolutionsのBtoB部門(HTS)との協業によるもの。SMBCグループが提供する個人向け総合金融サービス「Olive(オリーブ)」における非金融サービスの第一弾として「次世代型旅行予約プラットフォーム」を展開する。

新サービスの対象は、三井住友カードを保有するVpassID、またはVポイントの会員番号を保有する人。HTSのトラベルフィンテックと三井住友カードのデジタルサービス、「Vポイント」を組み合わせ、多様化する旅行ニーズにこたえる。具体的には、掲載ホテル数が国内最大級となる国内2万件、海外50万軒を超えるホテル、航空券、レンタカーを販売。予約したホテル・航空券が、他サイトより高い価格だった場合に差額を一部返金するベストプライス保証もおこなう。

また、HTSによる航空券の価格予測で、利用者に購入すべきタイミングを提案。航空券の値動きをメールで通知するなどで、ユーザーの利便性を高める。旅行直前・タビナカのサポートでは、旅行当日の急なキャンセルやフライト遅延時などに簡単に再予約や返金をオンライン上で手続きできるオプションを用意。有料オプションの「キャンセル安心オプション」では、理由を問わず、ホテルはチェックインまで予約価格の100%、航空券は出発3時間前まで予約価格の80%返金する。

これらサービスに加えて、三井住友カード決済による獲得分とVトリップの利用特典の合算で最大10%のポイントを還元する。

サービス発表の記者会見で、代表取締役社長の大西幸彦氏は、新サービスによって「タビマエの予約からタビナカの買い物の利用など、全体の支出を一目でわかるようになる」とメリットを強調。「Olive」の利用者は、2024年度末で500万アカウントに拡大している。「Vトリップ」は、今後、同社が強化していく非金融サービスの第一弾としてスタートするもので、大西氏は「決済する事業者、ユーザー双方に健全なサービスを提供していく」と自信をみせた。また、旅行とクレジットカードの親和性が高さにも触れ、今後もサービスを充実させていく方針を示した。

ホッパーPresident兼共同創業者のダゴダ・スミス氏(左)、三井住友カード代表取締役社長の大西幸彦氏(右)

ホッパーのサービスが日本初上陸

今回の「Vトリップ」の開始で、いよいよホッパーが日本でサービスを展開することになる。日本企業との協業は、今回が初めて。

ホッパーのPresident兼共同創業者のダゴダ・スミス氏は、Vトリップで日本市場に初めて進出することに大きな期待感を示した。同社のサービスについては、独自の機械学習によるアルゴリズムが強みとなり、価格予測と柔軟な価格設定をしていることを強調。BtoBのグローバルネットワークを拡大している状況を説明し、その理由を「旅行者からの評価が高いからこそだ」と自信をみせた。

同氏は、グローバル展開にあたって、これまでローカライズの重要性を指摘してきたが、日本特有サービスとしてはカスタマーサポートを充実させる。日本語コールセンターを設置や、AIチャットボットなどで顧客対応をおこなう。これら事業を展開するにあたっては、日本法人の旅行業登録もおこなったという。今後のVトリップでの展開については、「三井住友カード会員限定の特別優待プランを作っていきたい」と意欲を見せた。今年秋には、パッケージツアーの提供も予定している。

ホッパーのPresident兼共同創業者のダゴダ・スミス氏

膨大なデータをもとに、AIで航空券やホテルの価格動向を高精度で予測し、航空券の「価格凍結」が人気となって急成長したOTAホッパー(Hopper)。アプリのダウンロードは全世界で1億2000万超え、米国のOTA市場での売り上げシェアは3位(2023年上半期の航空券販売)となった。

一方で、消費者向け事業は北米限定とする方針を決め、海外ではHTSによる三井住友カードとの連携のようなBtoB事業を中核事業としている。米国ではキャピタルワン、南米ではブラジルのヌーバンク、オーストラリアのコモンウェルス銀行など金融機関の会員向け旅行予約サービスを提供している。

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