帝国データバンク(TDB)は、小売りサービス6業種に対する消費増税の企業業績に与える影響度を分析し、消費増税に伴う価格転嫁がまったく実行できなかった場合、対象全業種で営業赤字に転落すると予想した。対象業種は「自動車小売」、「菓子・パン小売」、「外食(酒場等除く)」、「酒場等」、「男子服小売」、「婦人・子供服小売」。
売上高は菓子・パン小売で上向く予想だが、その他は概ね1~2%減の予想。消費税の価格転嫁率100%であれば、営業利益率は0.50%~1.62%の黒字確保の見込だが、価格転嫁率が0%の場合は1.15%~2.53%の赤字に、価格転嫁率50%でも、男子服小売り0.23%黒字を除き、0.24%~1.14%の赤字に陥る見込み。
今回の分析では、景気や業界環境の好転に伴う消費刺激、業績回復は、反映させていない。しかし、デフレ傾向の中、中小企業を中心に値上げに踏み切れない企業も少なくないとの見方がある。そのため帝国データバンクでは、増税分を価格転嫁できない場合、コスト圧縮による収益性改善が必要だが、不況から脱したばかりの企業側にその余力が残っているかと指摘した。