ドイツ観光局は、2014年のプロモーション・テーマを「世界遺産」としてドイツ旅行の喚起に取り組む。タイトルは「タイム・トラベル(Time Travel)」。特設サイトやスマホアプリを通じて、ドイツ国内に38か所ある多様な世界遺産と観光地を組み込んだ周遊コースを消費者に提案していく方針だ。
ドイツ観光局によると、2013年の主要旅行会社10社の上期ツアーでは284件中226件で約8割のコースに世界遺産が組み込まれていたという。このほど開催された同局のセミナーで、アジア・オーストラリア地区統括局長のペーター・ブルーメンシュテンゲル氏は「JTBレポート2012」の調査結果で日本人の8割を超える旅行者が「歴史文化観光」を目的にしていることを紹介。こうしたことから、「日本人にとって世界遺産が旅行先の決定の上で重要」として「ドイツの名所100選と、世界遺産を組み合わせた観光を紹介したい」と語った。
また、同局マーケティングディレクターの西山氏は、ドイツが世界遺産の登録数でイタリア、スペイン、中国に続く世界の4位、ヨーロッパで3位である点を指摘。全世界981のうち38の世界遺産を擁しており、その内容が以下の7つの分野にわたる多様性があることを強調した。また、都市間の交通網が整備されたドイツ国内では、観光起点(出入国のゲート)となる都市から都市への移動で複数の世界遺産を周遊ルートに含めることができる点を紹介した。
- 旧市街アンサンブル
- 建築とデザインの傑作
- 自然、庭園や景観
- 産業遺産
- 宮殿と古城
- 文化や精神史に関する遺産
- 協会と修道院
なお、2013年のドイツの外国人延べ宿泊数は7000万泊に達しており、2020年までに目標としている8000万泊へ順調に推移を見せている。日本人については1.3%減の130万泊。 ブルーメンシュテンゲル氏は、2013年の日本人出国数が5.5%減だったことに触れ、日本の海外旅行市場が好転することに期待した。
トラベルボイス編集部:山岡薫