2014年3月30日、羽田空港の国際線昼間発着枠が拡大した夏期スケジュールが開始された。これによって、羽田発着国際線は17ヶ国地域25都市にとなり、訪日旅行や日本人の海外旅行の需要拡大が期待される。その羽田拡大のひとつ、ルフトハンザ ドイツ航空(LH)のミュンヘン発の羽田空港行のLH714便が3月31日に羽田空港に到着、羽田発ミュンヘン行きのLH715便が出発。またフランクフルト線も予定通り発着した。
今回の日本/ドイツ間の羽田発着便の就航は、羽田発着の国際線が成田空港に移された1978年以来、17年ぶりのこと。ミュンヘンとフランクフルトの2都市への就航を果たした。就航日に開催されたミュンヘン線の就航記念式典で、LHのオットー F・ベンツ日本支社長は「我々は羽田に戻ることをあきらめなかった」とコメント。「羽田」が同社にとって長年の念願であったことを感じさせるスピーチを行った。さらに、ANA(NH)とのジョイントベンチャー(共同事業)も進化を続けており「密接な協力ができることをうれしく思う」と協力体制を強調した。
また、ベンツ氏によると羽田路線の夏に向けた予約状況は「計画通りに進んでいる」という。初便のミュンヘン発はほぼ満席、羽田発のロードファクターが80%超と合わせて90%超の旅客が搭乗しており「いい結果」だったと評した。こうした結果が続き、需要が見込めれば、2020年の東京オリンピックに向けてはA380など機材の大型化も視野にいれたい考えで、羽田便への意欲の高さをみせた。
▼成田線の維持は「旅行者の選択肢を増やす」
コネクション強みに、ハブ以遠の潜在需要取り込みへ
ベンツ氏は羽田の増便にあわせて、成田線を維持することについては旅行者の選択肢を増やしていくための措置であることにも言及した。
ルフトハンザ ドイツ航空の成田線は、2014年7月20日までは現行の成田/関西/フランクフルト線を維持。7月21日からは、それぞれ成田と関西からの直行便に切り替える。これにより、LHの中部を含めた日本路線5路線はすべて直行便に。また、ANAと合わせると、スターアライアンスの東京/ドイツ線は1日7便になり、路線網は大幅に強化される。
ベンツ氏は、こうしたスケジュールについて「1日のなかでたくさんのフライトオプションがある。それはタイムテーブルを見れば明らかなこと」とコメント。旅行者に豊富な選択肢を提供し、日本国内の地方都市やヨーロッパ各都市、さらには南米サンパウロなどへのコネクションを利用して、さらなる潜在需要を取り込みたい考えだ。
こうした方針の中で、ベンツ氏は同社が進めるANA、オーストリア航空(OS)、スイスインターナショナルエアラインズ(LX)とのジョイントベンチャーが重要なことを強く強調した。
(トラベルボイス編集部:山岡薫)