日本旅行業協会(JATA)は2014年4月1日、2014年度の事業方針を発表した。旅行業のビジョン(目指す方向)として「ツーリズムによる新たな文化・価値の創造、環境保全への努力を通じ、持続的な経済発展と友好・平和な社会の実現に貢献する」を掲げ、「価値創造産業への進化」「新しい需要の喚起」「観光立国の推進」を旅行業のミッション(任務と使命)に定義。この達成に向け、各施策を遂行していく。
そのため、まずJATAとしての政策目標と、観光立国実現に向けた業界目標の2つを柱とする2016年度までの目標し、これを踏まえて2014年度の基本方針を8項目設定した。このなかでは旅行業法制度等の改善や、ネット流通、グローバル化への対応に向けた施策の検討、旅行業の社会的公共性や地位確立に向けた価値創造活動への取組み、などが含まれている。詳細は以下の通り。
【2016年度までの目標】
■観光立国・ツーリズム発展に向けての JATA の政策目標
- 有給休暇取得向上等の休暇制度改革
- ツーリズム EXPO ジャパンが ITB,WTF と並ぶ世界三大ツーリズムイベントの地位確立
- 日本のツーリズムの国内・国際における地位向上、確立
■観光立国・大国実現に向けた業界目標(観光立国基本計画の目標を共有)
- 日本の海外旅行市場プレゼンスアップするために渡航者人数2000万人達成に向けた 需要喚起や企画力強化などの業界内外の環境整備
- 国内旅行での旅行会社のリーダーシップを確実にする国民1人当たりの 2.5 泊達成に向けた地域や運輸・宿泊機関との連携による施策実行
- 訪日旅行推進の主体者として2000万人の高みを目指し5つの重点課題(VISAの更なる緩和、災害時の訪日外国人安全確保、多言語化、Wi-Fi サービス拡充、CIQ手続きの迅速化)などの業界としての課題抽出・整理、解決に向けた施策実行
【2014年度の基本方針 -価値創造産業への挑戦-】
- 業界の健全な発展のために休暇制度の改革提言等の旅行機会創出や経営基盤強化に向けた環境整備の取組み:旅行業法制度等の改善
- ネット流通やグローバル化推進に対応する施策検討
- ツーウェイツーリズム促進による旅行会社の取扱い拡大・旅行需要創出:海外渡航自由化50周年、ツアーオペレーター品質認証制度等
- 安心安全の旅の提供と危機管理をセットにしたリスクマネジメント、コンプライアンス徹底への取組み
- 「旅の力」を活用し、地域とともに旅行による地域経済活性化推進:「ニッポンを遊びつくせ!」キャンペーン、着地型旅行の推進等
- 優秀な人材獲得と人材育成による産業競争力の向上
- オールジャパンでツーリズム EXPO ジャパン 2014 を企画・推進
- 旅行業の社会的公共性、地位確立に向けたCSV(共通価値の創造)活動への取組み:観光による東北復興活動