トリップアドバイザーは、1月に発表した「ホテルアワード2014」の受賞式を開催した。受賞式では、同社のホテル事業部長、河嶌佐登志氏が受賞施設へのアンケート結果を発表。このアワードは、トリップアドバイザーに投稿された世界の旅行者からのクチコミをもとに決定されたもので60施設の回答と、数は多くない。しかしながら、外国人旅行者からのクチコミ評価の高い宿泊施設の傾向を読み取ることができるものだ。
特に、注目したいのが「クチコミはどんな影響を与えますか?」という質問への回答。「小規模な旅館も大手にマーケティング力で勝ることもできる」というフリーコメントがあり、外国人の呼び込みに資金や専門人材などを投入したマーケティング活動、多言語サイトでの展開が難しい小規模な宿泊施設の力強いツールとなりうる点だ。
また、「施設内でWi-Fi提供状況は?」の設問にたいして「無料で提供している」が98%という結果。「有料で提供している」が2%で、河嶌氏は「外国人が宿泊するホテルの特徴ともいえ、今やWi-Fiの重要性を説く必要はないだろう。」とコメント。日本全体としては、まだこの点がスタンダードとなっているとはいえず、すでに外国人を取り込んでいる宿泊施設が一歩先を行く結果が明らかになった。
主な質問と回答、河嶌氏が発表した見解は以下のとおり。
2013年1月から12月の海外からの宿泊客が全体に占める割合は? ・・・平均34%
河嶌氏:一般の宿泊施設の外国人割合は7.2%といわれ、これは高い傾向だ。
海外からの宿泊客の個人旅行/団体旅行の割合は? ・・・平均で個人90:団体10
河嶌氏:宿泊施設団体が1割は少ない傾向。個人旅行の旅行者が口コミで動いた結果ではないか。
海外からの宿泊客の予約経路は? ・・・ネット予約サイト92%/自社予約サイト78%/直接連絡72%/旅行会社 63%/ウォークイン17%/その他5%
河嶌氏:オンライン予約が多い傾向は外国人旅行者の特徴ともいえる。
施設内でWi-Fi提供状況は?・・・無料で提供している98%/有料で提供している2%
河嶌氏:外国人が宿泊するホテルの特徴ともいえ、今やWi-Fiの重要性を説く必要はないだろう。
海外からの宿泊客に対して施設内で行っている工夫は? ・・・80%を超えたのは英語サイト開設、英語スタッフの配置
河嶌氏:ハードは整っているものの、おもてなしに関する回答が低い。伸ばす余地と価値がある分野だ。
今後力を入れたい取組みは? ・・・ネットの取組み、語学強化、日本文化訴求や連携など
河嶌氏:ネット強化と情報提供に傾く、日本語と同等レベルにまで持って行きたい宿が多い
(トラベルボイス編集部:山岡薫)