北海道観光振興機構はLCCの就航が観光動向へ与えた影響を考察・把握することを目的に、北海道旅行者に対するマーケティング調査を実施した。LCCとフルサービス(レガシーキャリア)の競合路線の出発便を利用した日本人を対象に実施したもの。これによると、LCCとレガシー利用者で各層や旅行スタイルに差異が見られたものの、航空運賃やツアー料金以外の消費行動については大きな差が見られないことが判明した。
年齢層は、LCC利用者は30代以下が46%と約半数なのに対し、レガシー利用者は50代以上の利用者が53%と5割強を占める。世帯年収も300万円未満がレガシー利用者の13%に対し、LCC利用者は23%で2番目に多い。また、旅行日程では2泊3日が最も多いのは共通だが、次いでLCCは4泊以上が26%と多く、訪問回数では「初めて」が14%でそのシェアはレガシー利用者の2倍。LCC就航が「北海道旅行のきっかけ」という回答が5割を占めた。
ただし、消費行動では宿泊費はLCC利用者の方が1泊当たり861円低く、土産代は2351円低いものの、その他を含め航空運賃やパックツアー料金以外の合計ではLCC利用者が5万1309円、レガシー利用者が5万1799円とほとんど変わりがない。道内交通費はLCC利用者が9068円で1437円高く、観光や土産代、飲食費以外の消費については1万5321円で1179円高い。
さらに、次回の旅行については「また来たい」と「機会があれば来たい」の回答合計が、LCC利用者が98%、レガシー利用者が97%で、ともに再来意向が高い。これらのことから北海道観光振興協会では、LCCの就航をきっかけに若者を中心に新規需要を創出し、道内観光への経済効果をもたらしたとし、再来訪の促進や滞在期間の拡大に取り組むことで、北海道の旅行市場の拡大が期待できるとしている。
(トラベルボイス編集部)