全日空(NH)とJR東日本は、ANA国内線全路線の機内販売でJR東日本の電子マネー「スイカ(Suica)」による支払いを可能とするサービスを2014年10月1日から開始する。日本の航空会社として初めての試みで、支払いの利便性を高めることでANAは国内線機内販売の年間売上約20億円のうち1割程度の約2億円程度の利用を目指す。
*右写真は会見での様子。左から2番目がANA取締役執行役員の志岐隆史氏、3番目が東日本旅客鉄道常務取締役の高橋眞氏。
スイカで決済が可能になるのは、物販での機内販売と軽食や飲料を提供する「ANA My Choice」掲載メニュー。ANAは、これまで機内の支払いで現金、カード、電子マネーEdyでの決済を行っているが、今回のスイカ導入による電子決済で機内販売の収入増加を目指す。
今回、ANAがスイカを導入した理由としては、JR東日本のスイカに加盟店契約することで、全国の交通系電子マネーに対応できるようになることが大きい。2013年3月からスイカと各地域の交通系電子マネーの相互利用がスタートしており、「PASMO」、「Kitaca」、「TOICA」、「manaca(マナカ)」、「ICOCA」、「SUGOCA」、「nimoca」、「はやかけん」とあわせて9種類に対応できることになる。
JR東日本の「スイカ(Suica)」は、2014年末段階で発行枚数が4832万枚、そのうち電子マネーに対応しているのは4610万枚。モバイルスイカの登録人数は345万人と、あわせて約5000万枚の流通がある電子マネーだ。さらに相互利用している各交通系電子マネーの利用者を加えると、相当数となる。また、「Suicaポイントクラブ」の登録者には、ANAの機内販売で200円の利用毎に1ポイント、ANAのマイレージ会員にもマイレージが付与される仕組みでアプローチする。
なお、JR東日本は航空会社との連携は当面ANAのみで足固めを行う方針。同サービスの発表記者会見では、常務取締役の高橋眞氏が「(ANAと)今後もいろいろな局面で協力をしていきたい」と、連携姿勢を強調。今後は、両社のオリジナル商品も展開する計画で、機内限定販売のキャラクターグッズを2015年1月以降販売する計画だ。
参考>>>
(トラベルボイス編集部:山岡薫)