ANAホールディングスは平成27年3月期第2四半期の決算をまとめた。それによると、売上高は、国際線の事業規模を拡大したことにより、前年同期比9.1%(716億円)増の8548億円となった。事業規模の拡大にあわせて燃油費などの営業費用も同7.7%(569億円)増の7968億円となったが、営業利益は同33.8%増(146億円)増の579億円を確保した。経常利益も同50.8%増(161億円)増の480億円。ANAの確定給付年金制度の一部を確定拠出年金制度に移行したことなどにより、特別利益を計上した結果、四半期純利益は同78%(157億円)増の357億円となった。
セグメント別に見ると、中核の航空事業では、売上高は同601億円増の7422億円、営業利益は同126億円増の518億円を計上した。国内線旅客では、各種割引運賃を柔軟に設定したことなどによって、旅客数、収入とも前年比増。旅客収入は同0.4%増の3458億円、旅客数は同1.4%増の2167万5000人となった。国際線旅客では、羽田空港発着枠拡大にともなって7路線を新規開設したほか、3路線で増便。成田ではデュッセルドルフ線を新規開設した。その結果、旅客収入は同20%増の2357億円、旅客数も同13.3%増の359万1,000人となった。
貨物については、国内線では宅配貨物需要が堅調に推移したことなどから、貨物収入は同5.7%増の161億円。国際線では沖縄/シンガポール/成田および成田/ジャカルタ線の新規開設や沖縄貨物ハブの活用などによって、貨物収入は同21.7%増の597億円となった。
バニラ・エア(JW)などを含むその他の収入は同10.5%増の801億円。当期中のJWの輸送実績は57万人、利用率は74.7%だった。
旅行事業については、国内旅行は、「旅作」商品の一部をANAじゃらんパックで取り扱うことにしたことから、売上高は前年同期を下回った。海外旅行は羽田新規路線にともなって「ANAハローツアー」を拡充。また、訪日旅行では前年同期を上回り過去最高の実績を残した。この結果、売上高は同1.9%減の890億円、営業利益は同0.5%減の27億円を計上した。
平成27年3月期の見通しについては見直しを行わず、売上高1兆7000億円(同989億円増)、営業利益850億円(同190億円増)、経常利益550億円(同120億円増)、当期純利益350億円(同161億円増)を見込んでいる。