アメリカン・エキスプレス・インターナショナルが日本を含む10カ国で実施した「顧客サービスについての意識調査」によると、日本人が企業の顧客対応について品質を判断する要因として「人間味」(28%)、「礼儀正しさ」(26%)、「相談相手としての頼りがい」(20%)が上位にランクされ、他国と大きくことなることが明らかになった。また、フェイスブックやツイッターなどSNSを通じて顧客サービスを利用した日本人は昨年よりも5%増の26%と増加しており、そのうち約4割が「自身のサービス体験を多くのユーザーに情報共有する」と回答している。
他国で求められている顧客への態度としては、香港では「効率、迅速な対応」(40%)が首位となり、他国と比較しても高く評価される結果となった。「(顧客サービス対応者が)十分な権限を持っていること」では、トップにイタリア(41%)、米国、カナダが続き、アジア地域では低い結果に。日本で最も高い数値(28%)となった「人間的であること」は、他国が20%に満たない数値となり、大きく異なる結果となった。
また、日本人の52%が「1回でもひどいサービスを受けたら直ちに別の会社に乗り換える」と回答。これは、10カ国のうち日本が最多となるもので、日本では消費者が企業から受けるサービスに「人間性」「その場の雰囲気を踏まえたきめ細かな対応」が求め、結果として不手際が発生した場合に許されにくい現状を裏付ける結果となった。
一方、「1回でもひどいサービスを受けたら別の会社に乗り換える」との回答は、香港が29%、カナダが33%など大らかな反応をする国もあった。
▼日本人が企業を選ぶ際に重視する要素は「高品質」
優れたサービスへの”対価”を支払う傾向は低く
サービスを提供する企業を選ぶ際に重視する要素を国別で比較すると、日本では「高品質の製品」(41%)がトップで、アメリカ、カナダ、イタリア、イギリス、オーストリア、シンガポール、インド、香港では「コストパフォーマンス」が1位にランクされた。日本では高品質の製品ありきでサービスの質を判断する傾向が強いと考えられる。
サービスへの対価への考え方では、日本人で「良いサービスを提供されたという理由で、その企業を利用するために他社よりも高い金額を払ったことがある」と答えたのは35%。一方、日本以外のすべての国では60~80%となっており、サービスに対する対価について意識の違いが際立つ結果となった。同社では、日本ではチップを払う習慣がないことから、「優れたサービスへの対価」を支払う傾向が低いと分析している。
この調査は2014年8月1日~8月31日にインターネット上で行われたもので、対象となった国は日本、アメリカ、カナダ、メキシコ、イタリア、イギリス、オーストラリア、インド、シンガポール、香港の10カ国。回答者数は18歳以上の男女1万14名で、そのうち日本人は1000名。