JTBグループ連結決算、増収減益は訪日旅行・法人需要が牽引 ー2015年第2四半期

ジェイティービー(JTB)の2015年3月期第2四半期(2014年4月1日~9月30日)連結業績(累計)は、売上高が前年比1.7%増の6783億200万円、営業利益が38.2%減の97億6300万円、経常利益が20.0%減の135億3800万円、四半期純利益は35.0%増の144億500万円となった。企業業績の好調さを受けた法人需要と過去最高水準で推移する訪日旅行が、JTBの取扱いにおいても牽引役となった

国内旅行部門の売上高は0.4%増の3002億円。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)新パーク開業に伴う特典を組み込んだエースJTB商品が好調に推移したほか、法人需要もMICEの伸長や大会関連の取扱が堅調で、前期を上回った。

海外旅行部門の売上高は1.1%増の2785億円。個人・グループ旅行は苦戦したが、法人営業が好調な業績を中心とするインセンティブ旅行や大型イベントが健闘し、個人・グループ旅行の不振をカバーした。

訪日旅行部門の売上高は26.7%増の234億円。訪日旅行のFIT化にあわせ、海外旅行会社への営業やオンライン販売を強化したのが奏功した。「サンライズツアー」では一部コースでWiFiサービスを開始し、体験型商品「エクスペリエンスジャパン」でプラン数を拡充したことも、前期を大きく上回る結果に繋がった。

2014年度下期は海外旅行の減少が懸念されるものの、法人需要と訪日旅行は引き続き堅調と予想。JTBグループとして需要創造とシェア拡大に取り組み、通期では売上高が0.5%増の1兆3120億円、営業利益が11.1%増の150億円、経常利益が10.1%増の170億円(以上、当初見通し通り)とし、純利益は31.8%増の100億円と12億円を上方修正した。

▼M&Aや業務提携を推進

グローバル部門では市場拡大を視野に、M&Aを推進。主に日本人旅行者などを受けるインバウンド分野ではアジアや南米などの成長市場からの旅客数の増加を見込み、欧州地域を地盤とするEuropa Mundo Vacacionesへの資本参加とアジア太平洋地域を基盤とするTour Eastの買収を決定するなど、DMCネットワークを強化した。

現地発の需要を扱うアウトバウンド分野でも、ASEANの富裕層のFIT獲得を視野にシンガポールのダイナスティ・トラべル・インターナショナルを買収。周辺国を含む営業を開始した。ちなみにアウトバウンド分野では第2四半期において、特にアジアの法人のMICEやBTMを強化し、前年を上回る推移となった。

また、JTBホームページとるるぶトラベルのWeb部門ではエクスペディア・ジャパンと業務提携し、プラン数を拡充。販売を拡大した。また、ユーザーの利便性も向上させ、「ルックJTB」の商品ではスマートフォン・タブレット対応も拡大した。


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