ジェットスター・ジャパンは、このほど日本航空(JL)とカンタス航空(QF)から追加の出資で最大110億円を調達する。調達した資金で経営改善を図る計画だ。このほど開催された同社初の国際線就航の記者会見は、代表取締役の鈴木みゆき氏が「2年以内に黒字化を目指す」ことを強調。また、国際線を含む4つの新たな取組みを展開していくことを発表した。
鈴木氏は、2014年度の111億円の赤字について「これがボトム(下限)」と語り、経営改善に積極的に取り組む姿勢だ。2014年6月には、関空に整備基地の整備が完了しており、国内LCCとして最大の20機体制を最大限に生かす環境が整った。増資とあわせて1日72便から108便の運航が可能になったことで「売り上げ増に向けた原動力になる(鈴木氏)」と自信を見せた。
事業拡大と経営改善のために取り組む同社の今冬から今春にかけての4つの取組みは以下のとおり。
1、国際線への参入とコードシェア便の拡充
初の国際路線となるのは関空/香港線。2015年2月28日から週3往復・合計6便で運航を開始、その後に段階的な増便を検討する予定だ。拠点となる成田空港からの国際線による新路線の開設にも意欲的で、今後の動きが気になるところ。
また、コードシェアを拡充する。現在、日本航空(JAL)、アメリカン航空(AA)とのコードシェアをしており、3社目として出資社であるカンタス航空(QF)と連携する。
2、国内線の運賃改定 -さらなる低価格化へ
2014年12月3日から、全路線で通常期の上位クラスの運賃引き下げを行う。また、5路線で最低通常運賃を引き下げ。例えば関空/福岡線では5290円を4290円として18.9%OFFとなる1000円を値下げする。関空/札幌では6490円を5690円として12.3%PFFの800円値下げ。さらなる低価格化路線を目指す。
3、機内持ち込み手荷物の制限重量を変更 -定時運航率の向上目指す
2014年12月3日の予約分から、従来10キロだった機内手荷物の制限重量を7キロに変更する。対象となるのは2015年2月1日以降の搭乗分で、寸法なども変更。鈴木氏は、この変更について「特に日本人旅行者が期待する定時運行を目指す取組み」と説明した。機内で旅客が搭乗する際に発生する、荷物運び入れによる渋滞で発生する離陸時間の遅延を少なくするために、手荷物をコンパクトにしてもらうという。
あわせて、受託手荷物料金(15キロ)については期間限定で2割の値下げを実施する。
4、成田空港第3ターミナルの活用
同社は2015 年4月8日から、拠点となる成田空港で第 3 旅客ターミナルの利用を開始する。鈴木氏は、同一エリアで国内線と国際線の両方に対応することが可能な動線が引かれた第3ターミナルで利便性が向上することを強調。また、制限エリア内に、同社初となるオリジナルブランドショップを開設し、消費者へのブランディングからのアプローチを図る。
(トラベルボイス編集部:山岡薫)