楽天トラベルはバーチャルリアリティ(VR)を活用し、自治体との連携による地域観光振興プロモーションを開始する。第1弾として長野県と連携し、VRによる観光体験イベントを実施する。楽天がVRを活用した観光イベントを一般向けに開催するのは初めてのこと。
楽天では、研究開発部門「楽天技術研究所」でVRに取り組んでおり、今回のイベントは、先ごろ首都圏総合活動拠点「銀座NAGANO」をオープンし、2015年4月に「善光寺」の御開帳を迎える長野県に、楽天側から提案。善光寺の仲見世と、六地蔵から本堂のエリア、戸隠神社の3か所について、オキュラス社のヘッドマウントディスプレイ「オキュラスリフト」で見るVR映像を制作した。長野県では2014年12月17日~23日まで、銀座NAGANOでイベント「御開帳100日前イベント・善光寺からはじまるながの旅」を実施しており、そのうち21日と22日にVR観光体験を実施する。
楽天技術研究所リアリティドメイングループ・リードサイエンティストの千葉直樹氏によると、今回提供する「実写ベース没入型VR」は、楽天技術研究所がVR用ヘッドマウントディスプレイを利用して初めて開発したもの。
360度の全方位を見渡せるオキュラスリフトの機能に加え、静止画像を用いたことで利用者が映像の向きを操作し、VR内で自由に移動しているような体験をできるようにしたのが特徴。没入感を維持しながらも、動画による映像に比べて安価で制作できるのもポイントで、多くの自治体が導入しやすいようコスト面も意識した。一般的に販売される静止画のカメラ1台で制作が可能で、場合によっては数百万円の違いがあるという。
楽天では、日本全国の自治体との連携を行なっていく意向で、すでに問い合わせも入っているという。国内旅行振興のみならず、訪日外国人旅行者向けのピーアールの可能性も含め、試験的な導入を進めていくとしている。
楽天「バーチャルリアリティ観光体験 –長野県- 」紹介動画