統計数理研究所の「日本人の国民性調査」で、日本人の長所として「勤勉」「礼儀正しい」「親切」が7割を超え、過去最高となった。同調査は1953年以来5年ごとに実施しており、本結果は2013年に実施したもの。「礼儀正しい」(77%)と「親切」(71%)は過去調査の結果よりも約20ポイント増と大幅に増加した。
「心の豊かさ」の評価についても、「非常に良い」「やや良い」が1998年以降、30%を下回る推移だったが、今回は47%に回復。調査開始以降で最高となるなど、日本人の中で日本人の性質に対する評価が高まっていることが判明した。
経済面も「ややよい」の評価が前回調査よりも約10ポイント増加。「経済力」は44%、「生活水準」は54%に上昇した。ただし、自分自身の生活水準は「よくなった」「ややよくなった」は20%で、2003年以来変化がない。「わるくなった」「ややわるくなった」が縮小傾向にあるものの、「変わらない」は増加し、今回は53%にまで拡大。生活水準が10年間で「わるくなった」と回答した人は、「努力しても報われない」の回答も54%と半数を超えており、生活水準が悪化するほどこの傾向が見られるという。
ただし、自身については幸福だと考える人が多く、自分が「幸福」(まあまあ、ふつうを含む)か「不幸」の2択では、「幸福」の回答が94%となり、高度成長期に突入した1958年の81%を上回った。どの年齢層でもほぼ9割に達している。
将来についても、楽観的な見方が増えつつある。「ひとびとは幸せになると思う」「心のやすらかさはますと思う」「人間の健康の面はよくなると思う」は、2000年を前後に最も低下したが、近年は上昇。特に20代は1978年の結果を上回り、例えば「人々はしあわせになる」は42%と約10ポイント高い結果となった。
調査は20歳以上の男女を対象に、層化多段無作為抽出法で2254~6400名を抽出し、個別面接聴取法で実施した。